毎年初夏から夏にかけて、奈良県は奈良市の一部のエリアでは決まった時間に鹿たちが集合する不思議な現象が起こる。これを誰が言ったか「鹿だまり」と表現したりする。

記者は2019年よりその様子を観察してきた。鹿を取り巻く環境も年々変化する中、今年(2024)の鹿だまりはどうなっているだろうか。見に行ってみた。


・見に行ってみた

鹿だまりは冒頭に書いた通り、暑くなりはじめた頃にはじまる。場所は大体奈良国立博物館前(奈良市登大路町)と決まっていたのだが、どうやらそうとも言い切れないことが昨年(2023)発覚した。

かれこれ6年ほど、7月中旬から8月頭にかけてと大体同じ時期に鹿だまりを眺めているが、未だに謎は深まるばかりだ。

今年(2024)もSNSなどで集まりはじめた時期をチェックしつつ、そろそろかなと目星をつけて7月半ば、現地を訪ねてみた。例年午後6時半頃に集まりはピークを迎え、7時あたりに解散する。



この日記者は、6時ちょっと前に現地に到着。奈良国立博物館前にはすでに数十頭の鹿が集まっており、思い思いにくつろいでいる。


集まっている数としては、今まで見てきた中ではそれほど多いとは言えない。しかしまだピークには早い時間帯なので、もうしばらく待ってみることにする。

時間つぶしがてら博物館の裏手、近鉄奈良駅側に足を向けると、そこにもまた3チームくらいに分かれて鹿がたまっていた。時間になればここから移動して博物館前に行くだろうかと、しばらく眺めてみる。


7時になったところで動き出すかとジッと眺めていたが、一向にその気配はなし。中には輪を抜けて、水浴びしに行く鹿の姿も見られた。



・変化が見られました

もうしばらくしたら何か動きがあるかもしれないと、取り敢えず博物館前に戻ることにする。先ほどとほぼ変わらない面子がそこではくつろいでいて、それ以上数が増える様子はなし。


これまでの傾向を鑑みるに、そろそろあちらこちらから集まって来ても良いものだが、今年は他所のエリアにいる鹿たちにその気はないのだろうか。

不思議なものだなあと一帯を眺め続けていたところ、わずかな変化があった。博物館前の鹿がすくっと立ち上がり、博物館の裏手へ行き別チームと合流。

加えて6時半くらいになると「もういいですよ」とばかりに輪を抜け、どこかへ去っていく姿もちらほら見かけるようになった。7時にもなるとその数はさらに減少。



何が理由かはわからないが、かつてのように全員集合して、ひとときを共にするという雰囲気ではなくなっているのかもしれない。

しかしながら、鹿だまりができはじめて全日観察したわけはないので、よくわからず。たまたまそういう日に当たってしまっただけかもしれない。

ただし観察をし始めた当初より、場所や時間などに緩やかな変化がみられることは確かだ。例年鹿たちのコンディションや気温も変わるため、そのあたりも含め引き続き「鹿だまり」を見守っていければと思っている。

今年の報告は以上だ! 

執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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