
その店には、素通りできない何かがあった。おそらく、原因は入口に貼られたメニュー写真。量がハンパじゃないのである。
しかも、1つ1つの写真をよく見ると、どこか惹かれるものがあった。プロが撮った美麗な写真ではないのだが、いい意味で味があるというか。
その店『お食事処さつき』に入ってみたところ、なんだかいろいろと豪快だったので報告しよう。
まず、私が惹かれたメニュー写真についてもう少し詳しく説明しておきたい。圧倒的な物量に目が行きがちなのだが、1つ1つをじっくり見ていると気になることが。
ある写真はおかずが見切れているかと思えば、ある写真は余白のテーブルが結構なスペースを取っている。俯瞰(ふかん)に近いアングルなのは共通しているものの、統一感があまりない。
飾らないというか、細かいことを気にせず撮りましたという感じ。そして、メニュー写真の横にはこう書かれていた。
「毎日手作り!」
──でしょうね! 写真を見れば手作り感はヒシヒシと伝わってくる。そしておそらく、これらの写真はお店の人が撮ったもので、プロの手によるものではないだろう。ということは……
メニュー写真にお金をかけてない → その分を原材料費や人件費に使っている可能性 → 美味しいかも!
──と頭の中で矢印がつながり、がぜん食べたくなってきた。どんなメニューがあるんだろう?
多すぎてすべて紹介できないので一部だけピックアップすると、「チキンカツ定食(950円)」「ロースカツ定食(1050円)」「トマトチーズハンバーグ定食(1250円)」「さんまの塩焼き定食(1200円)」「無水カレー&ロースカツ(1380円)」……という感じ。
いわゆる定食屋さんで、お肉も魚もカレーも他にも色々ある。選択肢が多すぎて悩ましいが、全体的に揚げ物が目立っていたため「ジャンボとろアジとビック白身フライ定食(1100円)」に決定。食券を買い、店に入った。
ドアを開けると、すぐに「お兄さん1人? こちらへどうぞ!」と女性スタッフから声をかけられる。その声があまりに明るかったので、入店しただけで元気をもらった気分になった。
店内は居酒屋のようでもあり定食屋のようでもある。どこか昭和が残っており、落ち着く空間だ。そこに1人座り、食券をスタッフに渡してしばらく待つ。
待っている時間がメチャクチャ長かったわけではないが、速攻で出てきたわけでもない。チェーン店の定食屋さんよりちょい長く待ったかなという感じ。当然だ。手作りなのだから。むしろ、待ち時間からも手作り感が伝わってきた。
さて、出てきた「ジャンボとろアジとビック白身フライ定食」がこちら。
アジフライの存在感よ!
しかも……
分厚い!
さらに……
ご飯が山盛り
「大盛りにしてください」と言ったわけではないのだが、デフォでモリモリ。
副菜が2品付いてくるところからも、「お腹いっぱい食べて」というメッセージを感じる。しかも、どれも美味しい。まさに手作り感が伝わってくる味である。
特に絶品なのはアジフライ。サイズが大きいだけでなく、ふっくらしている。あと3枚くらい追加したいほどだ。
そうやってアジフライに夢中になっていると、スタッフが話しかけてくれた。
「それ美味しいでしょう? 女の人でも2枚くらい食べちゃうのよ」
──でしょうね! この味なら納得です。
それにしても、フレンドリーで話やすい女性である。入口の写真のことも聞いてみようかな? と思い話題を向けてみると……
「あれ私が撮ったのよ! お客さんに出す前のものをパシャパシャって。カメラマンには高くて頼めないからねぇ」
「僕、あの写真を見て入りたくなったんですよ」
「ほんとに? まぁでも、ウチなんてどこにでもある定食屋だから」
──いやいや、そんなことないですよ! とお世辞ではなく本気で言ったが、女性は「昔はもっと安かったんだけどねぇ。最近は値上げが……」とボヤいていたから、いろいろ厳しい事情があるようだ。まぁ、近年の物価高を考えたら当然か。
さらに、女性はこう言う。
「最近の若い人はラーメンだから。定食よりラーメンだから」
──なんだかその言葉が妙に心に残ったのは、若い人にもっと来て欲しいと思って働いているのは私(ロケットニュース編集部)も同じだからかもしれない。
ちなみに、お店を出る前に「美味しかったので、インターネットの記事でお店を紹介したいと思うのですがよろしいでしょうか?」と聞いてみると、なかなか豪快な答えが返ってきた。
「味覚は人それぞれだからね。中にはマズいって感じる人だっているから。そう思ったらそう書いて。私ら全然気にしないから!」
──というわけで、感じたことをそのまま書かせてもらいました。美味しかったです。ごちそうさまでした!
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 お食事処さつき
住所 東京都豊島区東池袋1-26-4サンフラワービル2F
時間 11:30~22:00
休日 日曜日
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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和才雄一郎










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