大手牛丼チェーンの松屋は、2024年4月2日から店舗限定で「焼き牛めし」の販売を行っている。

焼き牛めしか~……、懐かしいなあ。そういえば、2年前まで新宿西口に「東京チカラめし」という牛丼チェーンがあって、そこの看板メニューが焼き牛丼だったんだよなあ。関東唯一の店舗だった千葉・新鎌ヶ谷店も昨年11月に閉店しちゃったしなあ……。

その思い出に浸ろうと思い、松屋に焼き牛めしを食いに行ってみたら、東京チカラめしがなぜなくなってしまったのか、わからなくなった。なぜだ!

・全国1店舗

東京チカラめしは完全に消滅したわけではない。辛うじて、大阪・日本橋に国内唯一の店舗が残っている。しかしながら、関東および東京から消滅してしまっているのだから、いっそのこと「大阪チカラめし」に改名してしまった方が良いのではないかと思ってしまう。


以前は通販で焼き牛丼の具を販売していたのだが、牛丼の具はなくなり、カレーのみを販売している状況だ。大手3社(吉野家・松屋・すき家)に対抗する勢力として成長することを期待され、一時は100店舗まで成長したのに、まさか国内1店舗になってしまうとは……



・松屋の焼き牛めし

影ながら応援していたのだが、チカラめしの “力” にはなれなかった。仕方がないので、松屋の焼き牛めしでも食べて、気持ちを慰めよう。


販売店舗は全国68店舗、そのうちのひとつ荻窪北口店にやってきた。


焼き牛めしは韓国風と和風の2種類ある。韓国風には参鶏湯風スープとネギキムチがつくスープセット(税込880円)。和風には豚汁とお新香のつくセット(税込790円)が用意されている。


……はずだったのだが、券売機には和風焼き牛めし単品(税込590円)しかなかった。もしかして、この日は他の商品は売り切れてしまったのか。それとも販売期間の終了が近いのか。とにかく和風焼き牛めしを頼んだ。



・なぜチカラめしは!?

これが松屋の焼き牛めしである。東京チカラめしで食べてたの、こんな感じだったっけな?


過去の写真と見比べてみると……。



チカラめしの焼き牛丼は2022年8月に撮影したものである。今ほど原材料費が高くなかったとしても、今の松屋より100円も安いうえに、お肉たっぷり。松屋ほど白ご飯が見えてない。ちなみにチカラめしを撮影した時は、閉店キャンペーンで390円で販売していた。

値段も安くてお肉も多かったのに、なぜチカラめしはなくなってしまったんだ!? 何がいけなかったのか? 今となっては関東を撤退することになった理由がよくわからない……。


もう関東、そして都内にかえってくることはないのか? 2023年8月3日の東京チカラめしの公式X(Twitter)にはこう記されている。


「名物の元祖焼き牛丼と、唐揚げ・チキン南蛮などの美味しい定食が大好評! 定食はなんと、ごはんのおかわり無料!他食べ応え抜群の商品がが満載です 東京チカラめし、現在は新鎌ヶ谷と大阪の2店舗展開中!いつか東京での新店舗を目指し、日々頑張っています



その新鎌ヶ谷店もなくなってしまったぞ。もう難しいか……



・インパクトには欠けるが

いつまでも過ぎ去ったことを考えてもどうしようもない。前を向こう、目の前の松屋の焼き牛めしと向き合おう、うん

お肉は少々薄めではあるが、やみつきにんにく醤油タレが食欲をそそる。


松屋の他の人気商品(ごろチキシュクメルリ)と比べると、インパクトには欠けるが、通常の牛めしに劣らない安定感のある美味しさである。


東京チカラめしがオープンした当初は、牛丼業界の版図が変わるんじゃないか? と思われるほどの衝撃だった。あのインパクトはもう起きないのだろうか? この先も牛丼業界は3強時代が続いていくのか? 東京チカラめしの復活が待たれる……


・今回訪問した店舗の情報

店名 松屋 荻窪北口店
住所 東京都杉並区上荻1-6-2
時間 24時間

参考リンク:松屋三光マーケティングフーズ通販ひとま
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24