「のり弁」は、この数年で急激にその価値が見直されたもののひとつだ。そもそものり弁は、弁当チェーンでは1番安い部類で、その価値を安く見積もられがちな商品でもある。それを逆手にとった高級のり弁専門店が都内でも数多く存在している。
そんななかローソンストア100が「おなかいっぱい! 海苔弁当」の販売を開始していた。購入してその実力をたしかめてみたら、さすがローソンストア100である。これ以上ないくらい “のり弁した” のり弁だった。のり弁すぎるだろ!
・高級のり弁が浸透
私が初めて高級のり弁の存在を知ったのは、2017年に東京・銀座に商業施設「GINZA SIX」が誕生した時のことだ。ここに、のり弁専門店の「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」が出店し、1080円(当時)ののり弁に度肝を抜かれた覚えがある。
1000円ののり弁だと!? なんて当時はかなり驚いたものだが、近年は1000円台ののり弁を販売するお店はずいぶん増えている。ちなみにこのお店ののり弁は、昨今の原材料費・物流コスト高騰の影響で1296円に値上げしている。
それから参考までに、私の知る最高級ののり弁を紹介しておこう。それは、老舗海苔舗「山本山」の最高級海苔を使った「にほんばし海苔弁当」だ。価格は税込2200円で、おかずなし! あれはすごかったな。
・のり弁すぎるのり弁
さて、今回紹介するのはローソンストア100の商品だ。
説明するまでもなく、ローソンストア100は安い自社商品が魅力のコンビニである。価格帯はおおむね100円台で、庶民の味方というにふさわしいお店だ。
その弁当コーナーに、のり弁はあるか?
これだな、黒くて見つけづらかった。ヒット商品の「だけ弁当」は税込216円なのに対して、のり弁は税込300円である。同シリーズでは高級品の部類に入るな。
ひとつ買ってきましたよ。総重量約400グラムで約2人分とのこと。こう見えて、熱量は648キロカロリーである。
ご覧あれ、のり弁の姿を! 清々しいほどのり弁だ。できればご飯の白いところが全部隠れるくらい海苔を敷き詰めてほしかったが、価格を考えれば贅沢は言ってられないか。
と言いながら、私(佐藤)はひそかに望んでいる。海苔の下にヒミツが隠されていることを。だけ弁当を仕掛けたローソンストア100だ。きっと何かを仕込んでいるはず。300円の限界を越えて来い!
レンチンして食べると、結構しっかりしたのり弁だった。付属のだし醤油とかつお節が相まって、旨味がスゴイ。400gの圧倒的なご飯が満足感を与えてくれる。
だが、「ワンモアシング」のサプライズはなかった。海苔・かつお節・ご飯、これが弁当を構成するすべてであった。せめてもう1段海苔があると、感動レベルの出来栄えだったんだけどなあ。
とはいえ、のり弁以上でものり弁以下でもない。直球ド真ん中の堂々としたのり弁である。むしろのり弁すぎるくらいののり弁と言っても良いだろう。海苔とご飯しかないのだから。
一切の無駄を削ぎ落したローソンストア100ののり弁。初心に立ちかえりたいと思った時には、これを食べるべし。「潔さ」を感じるはずだ。
参考リンク:刷毛じょうゆ 海苔弁山登り、ローソンストア100
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24