登場時「なんて斬新なコンセプトなんだ!」と度肝を抜かれたが、今ではすっかりカルチャーとして定着した感のある、ひとり焼肉店「焼肉ライク」

焼肉をファストフード化し、ひとりでも気兼ねなく、しかも立ち食いそばのようにササッと短時間で食べられるように特化したスタイルは、確実に当時のゲームチェンジャーだっただろう。

しかしコンセプトが尖れば尖るほど、大都市圏でしかビジネスが成立しないのもまた宿命。ずっと行ってみたいと思っていた地方住まいの筆者、先日ついに機会を得た!


・インバウンドにも人気「焼肉ライク」

店内で最初に驚いたのは、外国人客が多いこと。きっと「日本的」で「ユニーク」な体験ができる店として各所で紹介されているのだろう。外国語話者のスタッフがいなくても世界の言語に対応できるのがデジタル社会のいいところ。

なるほどこれが1人1台の無煙ロースターか! ミニチュアサイズでカワイイ。誰もが一国一城の主になれる。

各席に荷物かけのフックがあるなど、自席から手の届く範囲ですべてが揃い、完結するような工夫が随所に。

注文も席に1台ずつあるタブレット。入店以降、店員さんとのやりとりがまったく発生しない。味気ないと感じる人もいるかもしれないが、コミュ障気味の筆者はタブレット注文もセルフレジも大歓迎だ。無人化バンザイ!

引き出しから自分でカトラリーを用意するのは予習済み。箸やウェットティッシュや爪楊枝が入っていた。



なんと、水のディスペンサーもそれぞれの席にある! おかわりが欲しいとき、冷水機に汲みに行く必要も店員さんを呼ぶ必要もなく、かなり便利だ。回転寿司のお茶ではお馴染みのシステムだけれど、全国の定食屋やラーメン店なんかにも普及すれば最高だなコレ。

他にも調味料が目の前の壁に揃っている。すべてがセルフサービスで、店員さんが用意するものは料理だけ。究極の合理化!

よし、準備万端だ。そこはかとない「こなれ感」が出ているだろう。初心者とは思うまい。

……と悦に入る間もなく、トレーが運ばれてきた。料理が出てくるもの速い! 「注文を受けてから3分以内の提供」がコンセプトだそう。

ああっ、トレーがぴったりテーブルのくぼみに合うようになっている! 専用トレーが置かれて初めてテーブルセッティングが完成するんだ! 店員さんが皿をどかしたり、トレーから移し替えたりする必要がない。配膳も下膳もワンアクション。ここにも超合理的な構造化が!!



注文したのはもっともリーズナブルな「ミックスカルビセット」(税込580円)。ほとんどワンコインに近い金額だ。

それなのにスープとキムチの小鉢つき。しっかり定食スタイルになっている。


ここで気づいた。そういえば「火をおつけします」と言われないなと思っていたら、着火もセルフサービスだった! 周囲に溶け込み、完璧に振る舞っているつもりだったが不慣れなことがバレバレである。



タレは卓上にあるもので自分好みにセッティング。わざわざオーダーしなくても豊富な選択肢があるのは気兼ね不要だし、ちょっと楽しい。

ロースターは、本当に一人前を焼いたらいっぱいのミニサイズ。


自分のペースでさっと焼いて……


ご飯と一緒に……


ああ、普通に旨い! これで580円とは、なかなかにすごい! 肉のボリュームとしては軽食くらいのサイズ感だけれど、足し肉などのカスタマイズも豊富。食べ足りなければライスを追加すればいいし、毎日だって来られる値段。ここでは焼肉は「ご褒美」じゃない。日常のファストフードなんだ。

スープもしっかり美味しい。五臓六腑にしみわたる……。

キムチは浅漬けの感じだけれど、クセがなく、シャキシャキとして食べやすい。



調味料コーナーでひときわ存在感を放つコレはなにかな、と思ったら……


ふりかけか!


お肉、ふりかけ、キムチのコンボで白米を美味しくいただいた。

女性の筆者でも、入店から退店までわずか20分! 長居はせず無言で食べて、すぐに立ち去るファスト焼肉。見知らぬ土地でもフラッと入れる気軽さも素晴らしい。ものすごいコスパ&タイパ。

これからの焼肉は気負わず予約もせず「食べたいときにさっと焼いて、さっと食べる」のが正解。焼肉の新時代到来だ!

……と盛り上がっていたが「焼肉ライク」創業は2018年だから、すでに5年以上前! ずいぶん前に新時代は始まっていた。失礼いたしました。

乗り遅れたけれど、ついに体験したぞ、ひとり焼肉!


参考リンク:焼肉ライク
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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