ひとりで気軽に食べられる焼肉を提供する「焼肉ライク」が、2021年5月11日から一部を除く全国の店舗にてジンギスカンの提供を開始した。昨今のお一人様ブーム的な流れによって、1人からでも入れる焼き肉屋は増えたように思うが、ラム肉を提供する店舗はそう多くないのではなかろうか。

あっても基本的に2名以上からの利用となっているところが多く、複数人での利用は昨今の情勢的に抵抗もある。そんな中での焼肉ライクのこのムーヴは、隙間を突いた面白い試みに思える。はたしてどのような感じなのか、実際に食べてみたぞ!

・ラム肉

ということでさっそく焼肉ライクへ。お店の外には「焼肉ライク初のジンギスカン 限定販売」と書かれたポスターが。


ラム肉は、肉130グラム分がご飯やスープ、野菜とセットになった「ミルキィラムジンギスカン(生ラム肩ロース)セット」と、単品の65グラムのものを選ぶことが可能。前者のセットは1480円で、後者の肉単品は580円となっていた。価格は全て税込みだ。


・ボリューム

とりあえずセットをオーダーし、出てきたのがこちら。


タレは専用のものが用意されているぞ。


肉のみ全部焼いて、ご飯(大盛り)に乗せた場合のボリュームはこんな感じ。


・ジンギスカンとは

さて、一般的にジンギスカンといえば、鉄板の上に野菜を敷き詰め、その上にラム肉を乗せて焼くスタイル。あるいはドーム型のジンギスカン鍋を用い、周辺部に流れ出した肉汁で野菜を煮るように調理して食べるというスタイルがイメージとして定着していると思う。

対して焼肉ライクのジンギスカンは網で焼く。


つまり肉汁も油も野菜の水分も、一瞬で網目から流れて消えていく。このため、メジャーなジンギスカンのイメージと異なる仕上がりになっている可能性は否定できない。

もちろん、網の上に野菜を敷き、その上に肉を乗せて焼くことは可能だ。だが、キャベツも玉ねぎも鉄板で焼くより早く水分が失われていく感があり、あまり現実的ではないような気がする。野菜は野菜で、肉は肉で焼くのがベターな気配。

ジンギスカンの定義が「羊肉を用いた焼肉」であれば、間違いなくこれはジンギスカンだが、鉄板や野菜も含めた条件が満たされていなければならない場合は、ジンギスカン風という感じな気がする。調べてみたが、どうも諸説あるようで正確なことはわからなかった。


・ラム臭がほぼ無い

まあその辺の議論はジンギスカンに詳しい業界の人たちに任せるとして、それよりも重要なのはウマいのかどうか。ラム肉といえば独特の臭みがあり、それが好き嫌いを分ける要因となっている。

焼肉ライクのラム肉を食べてみて驚いたのだが、あの独特の臭みがほぼ皆無。え、マジでラムなの? みたいなレベルだ。逆に言えば、ラムらしさが薄いとも言える。

なるほど、店先のポスターに書かれていた「羊が苦手な人にこそ~」という文言はこのことだったか。ラム独特の臭みが苦手だという方にとってはベストなラム肉体験ができる可能性を感じたぞ! 驚くほどクセがない仕上がりだ。どうやったのか不思議なレベル。

ただし、あの香りが良いという方にとっては、正直ラムを食べた気がしないのではないかとも思う。筆者はどちらかというとラム肉過激派。あの匂いが好きでたまらないというタイプなため、ちょっと物足りなかった。それぞれの好みに合わせて参考にしていただきたい。


・コストは

最後にボリュームとコストについて触れておこう。先述のとおり、セットだと肉は130グラムで1480円。小食ぎみな方でなければ、これで満足するのはなかなか難しい気がする。

多くの方にとって単品のラム肉の追加はマストとなるだろう。一皿65グラムで580円。


筆者は1皿追加したところで腹八分目という感じだったため、トータルで2060円でフィニッシュ。お腹いっぱいにラムを食べるつもりであれば、もう2皿ほどイケただろう。コスト的には2000円~3000円程度が目安といったところか。

ということで、焼肉ライクのジンギスカン。いろいろと一長一短はあるが、1人で気軽にラム肉を食べられるという点では、ほぼ唯一無二だろう。気になった方はお近くの店舗で食べてみて欲しい。こちら2021年5月31日までの期間限定で、熊本下通り、天神西通り、札幌狸小路、秋葉原中央通りを除く56店舗で実施中だ。

参考リンク:焼肉ライク
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.