昨年11月にリニューアルオープンした東京・立川市にある「立川高島屋S.C.」の変貌ぶりは衝撃だった。いかにも百貨店らしい化粧品店やブティックは影を潜め、代わりに見慣れたスーパーやドラッグストアが大集結したのだ。

『オーケー』『セリア』『シャトレーゼ』などなど、とても高島屋とは思えないラインナップには思わず驚愕したが、先日久しぶりに訪れたところ、前回を超える勢いで完全に仕上がっていたためお伝えしたい。

・リニューアルした高島屋

「立川高島屋S.C.」はJR立川駅の北口より歩いて約3分。「伊勢丹 立川店」のちょうど真向かいに位置する形で建っている。昨年の大規模リニューアルの結果、ほぼ別人のようになってしまったのは前回の記事でもお伝えした通りだ。

1階のエントランスから入ると、まず目に飛び込んでくるのが『シャトレーゼ』。


そのすぐ横には『セリア』『サンドラッグ』が店を構えており……


エスカレーターで地下に降りると、今度は『サブウェイ』『おかしのまちおか』のお出迎えである。それだけではない。


なんと激安スーパー『オーケー』まで。



この中だと『サブウェイ』が比較的高級店みたいな感じになっていて笑うが、ここに先月、新たに強力な仲間が加わったことをご存じだろうか? そう……


『はま寿司』である。


・隙のない布陣

1階『シャトレーゼ』の向かいに今年1月12日にオープンしたらしい。なるほど、ついに最後のピースがハマった形だが、それではここで「立川高島屋S.C.」のショップリストを改めてご覧いただこう。


──庶民のサマソニかよ。ウチの最寄りのイオンモールよりもはるかに強力なメンツだぞ。この近所に住んでる人めっちゃ便利だな。



せっかくなので『はま寿司』に入ってみたところ、もちろん店内は新しくキレイなのだが、それよりも印象的だったのが女性客の多さだった。

たまたまかもしれないが、1人用カウンター席の7割くらいを女性が占めていたのである。もしかしたら高島屋の1階ということで、通常のロードサイド店舗よりも女性のソロ客が入りやすいのかもしれない。

ちなみに私(あひるねこ)の前に会計していた女子高生2人組は、店を出るとそのまますぐ近くの『セリア』へ吸い込まれていった。

たしかに百貨店らしさは失われたかもしれないが、代わりに新しい客層が施設内で回遊していることを考えると、ひとまずこのリニューアルは成功だったと言えるのではないか。



・もっとも高島屋らしくない場所

さて、ここで3階に上がってみると、前回はまだ準備中だった巨大ガシャポンエリア『ガシャポンのデパート』がオープンしていた。


こちらはバンダイナムコアミューズメントが企画・運営・プロデュースするカプセルトイ専門店で、とにもかくにも、その膨大な躯体の数にまずは圧倒される。

公式サイトによれば、ガシャポンの設置数は驚きの1610面。クレーンゲームも360台以上設置されているという。前回も書いた通り、本当にただのゲーセンである。


おそらくこの建物でもっともデパートらしくないフロアはここだろう(『ガシャポンのデパート』なのに)。学生が放課後の暇つぶしに寄るにはもってこいの場所ではないか。

・真の完成

ただ、『はま寿司』とガシャポンエリアが完成したことで、「立川高島屋S.C.」は庶民のオアシスとして完全に仕上がったようにも思う。

よく考えたら『ニトリ』『ジュンク堂書店』まであるわけで(どちらも広い)、それらが駅前の施設にぎゅっと固まってくれているのは、純粋に使い勝手がいいのだ。

前回来た時は、あまりにもイオンモール化しすぎていて少々面食らってしまったが、きっとこれが2024年における最適解なのだろう。



去年はたしかにあったはずの『ポール・スミス』が閉店しているのを見たところで、特に驚きはなかった。しかしこうなると、9階のレストラン街も心配になってくるな。


いつかあそこに『サイゼリヤ』が入ったりして……なんて冗談で言っていたら、本当に入りそうなのが今の「立川高島屋S.C.」である。

とはいえ、個人的には以前よりも行く理由が圧倒的に増えた。今後も引き続き注目していきたい。

参考リンク:立川高島屋 S.C.バンダイナムコ
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.