JR新宿駅から編集部へと向かう際、私(あひるねこ)はいつも中央東改札を出てすぐの「ルミネエスト新宿」の中を通っている。

その途中に『バターのいとこ』という那須の有名なお菓子のお店があるのだが、どうやらかなりの人気店らしく、午後にはほぼ全ての種類が完売。いつ見てもイナゴが通過したんか? という有り様なのだ。

これは開店直後に駆け付けるしかあるまい。

・大人気スイーツ

栃木県・那須発祥の『バターのいとこ』は、バターを作る過程で大量に出る無脂肪乳を主原料としたお菓子である。

安価に販売されてしまう無脂肪乳も、愛情込められて作られた牛乳の一部。もっと価値を高められないだろうか? そんな想いから誕生したのが、この『バターのいとこ』というワケだ。

時刻は午前11時すぎ。開店直後だったのでまだ在庫には余裕があるが、絶えずお客がやって来るところを見ると、完売も時間の問題だろう。

店員さん曰く、不動の一番人気は『ミルク味』で、味を大胆に買えたい人には『チョコ味』がオススメ。『塩キャラメル味』は女性人気が高いらしい。なるほど、とにかく『ミルク味』さえ買っておけば間違いなさそうだ。


というワケで『ミルク味』を購入。


開けてみると……


全部で3枚入りだ。



・デザインもかわいい

よく見るとこれ、バターを包んでる金紙みたいだな。そういえば箱もバターを彷彿とさせるデザインになっていた。芸が細かい。


で、包み紙の中から出てきた、この何だか薄いワッフルみたいなお菓子が噂の『バターのいとこ』である。

最新のスイーツ慣れしていない私には、東ハト『あみじゃが』のデカイ版に見えて仕方がないのだが、一口食べてビックリ。


サクッ!


ではなくて “ふわっ” なのだ。



・未知の食感

まず最初に、しんなりしたワッフル生地(ゴーフレットというらしい)のバターの香りが “ふわっ” と漂う……と思ったら、その直後に今度は “シャリッ” とした食感が。


これは砂糖を加えたバタークリームによるものである。またしてもバター!

そして最後に、無脂肪乳から作ったミルク感たっぷりのジャムが “とろっ” と出てきて『バターのいとこ』は完成する。これぞ「ふわっ、シャリッ、とろっ」のバター三段活用。

香りと食感による怒涛の波状攻撃は新鮮で、「アレっぽい」という形容がなかなか思い浮かばない味わいだ。

しかし、そこまで過剰には甘すぎず、スイーツよりもアルコールを好む私のような人間でも夢中で食べてしまう程度には中毒性がある。



一口目よりも二口目、二口目よりも三口目の方がよりおいしく感じられるのは、食べ進めるごとに「なるほど、こういうお菓子か」と脳や舌が理解していくからだろう。


脳や舌「な、何やこの食感!? ふわっ、シャリッ、とろっ……ふわっ、シャリッ、とろっ……。ええやん! ええやん、ウマいやん!! もっとくれ! もっとくれやーーーー!!」


──みたいな感じである。


・止まらない

実際、1枚目を食べ終わる頃には、すぐさま次の袋に手を出したい欲求に駆られていた。こんなんナンボあってもいいですからね。だがしかし……!

書き忘れていたが、実はこの『バターのいとこ』、3枚入りでお値段なんと……


税込972円なのだ。


・かわいい顔して

ほ、ほんげェェェェェエエエエエ! 1枚あたり324円ンンンンンンンンンン!!

危ねぇ……うっかり2枚目に手を出してたら648円だった。3枚目も回避不可だったら972円。なんて恐ろしい子(バター)……! こんなことを続けていようものなら近い将来、バターで破産待ったなしである。

・理性を保て

以上の理由により、『バターのいとこ』は自分用ではなく、お土産用として購入することを強くお勧めいたしまする。都内だと羽田空港、新宿、品川、上野で販売している模様だ(2024年2月16日時点)。

新宿は夕方に行くと平日でもほとんど売り切れているので、確実に手に入れたい人は午前中を狙うのがいいだろう。自分用にも欲しい! という人は、どうか強い理性を持ってお買い求めいただきたい。忠告はしたぞ。



・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 バターのいとこ ルミネエスト新宿店
住所 東京都新宿区新宿3丁目38番1号 ルミネエスト新宿店B1
時間 11:00~21:00(平日)、10:30~21:00(土日祝)

参考リンク:バターのいとこ
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼こちらは『塩キャラメル味』。

▼ふわっ、シャリッ、とろっに、ほんのり塩味が加わるという無敵な仕上がりだった。でも個人的には『ミルク味』の勝ち。