今までサメと昆虫に共通点を感じたことはない。かたや海のハンター、かたや陸のミクロの住人。両者は脳内の真逆にいてシナプスが繋がることはなかった。

ゆえに、サメの卵の目玉焼きを食べた時、衝撃が走った。これ○○○○やないか

・いっぱい食べたなあ

カブトムシゲンゴロウ、蚕、サソリ、蟻タガメ、コオロギと仕事で散々昆虫を食べてきた私(中澤)。特に昆虫食が好きなわけではないだけに、その印象は強く心に残っている。多分好きな人よりも。

食べてみたら味自体は海老とかに近いものが多いから普通に食べられるんだけど、後味でウジャウジャした香りが鼻の奥に一瞬だけ漂うんだよね。ウジャウジャってなんやねんと思うかもしれないが、暗闇で見えなくとも「いる」と分かる気配が風味になった感じである。

・心当たりのある風味

そんな珍味系を編集部の誰よりも食べている私がサメの卵を入手したことは以前の記事でお伝えした通り。詳細は記事でご確認いただければと思うのだが、オムレツにして食べたところ謎の臭みが一瞬したことが気になった。

なんか心当たりのある風味なんだけど、ほんのりすぎてよく分からない。魚臭さとも違うような。モヤモヤを抱えながらも、余ったサメの卵を目玉焼きにして食べてみたところ……


脳内である昆虫とシナプスが繋がった。


ひょっとして私が感じていた心当たりって……


コオロギじゃね

食感や味は全然別モノのため、すぐにピンとは来なかったのだが、意識して食べるとひと口ごとに鼻の奥に「いるで」と主張する臭みは近いものがある。

・目玉焼きはめっちゃいる

さらに、目玉焼きの場合その「いるで」感が強い気がした。これは粘膜も一緒に焼いていることも関係するのかもしれない。

ちなみに、ゆで卵マシンに入れてレンチンもしてみたのだが、膜から中身が漏れ出して綺麗なゆで卵にはならなかった。味は白身魚の肉っぽさが少し増すかな。淡白で塩が合いそう。

ただし、食感のムチッと感も増すので蒸かし芋並に口の中の水分が持っていかれる。味はそんなに変わらない印象だけど、まあ、これはあまりオススメしないな

・色々試した結果

レア食材だけに調理法でチャレンジしたレポートもほとんどないサメの卵。鶏卵と同じ調理方法でいけると言われているが、臭みを感じたくない場合、煮付けか、オムレツにしてケチャップで消すのが無難だろう。やはり伝統の調理法は強かった。現場からは以上です。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.