2023年の十五夜は9月29日だった。ゆえに、各ハンバーガーショップの月見バーガーはそれまでに発売されたわけだが、そんな月見商戦で沈黙を貫いていたドムドムハンバーガーが、なんとここに来て月見バーガーを発売した。2023年10月23日発売の「赤き月見 チキン竜田バーガー(税込890円)」がそれだ。
しかし、この月見バーガー、妙である。メニュー画像を見ると、月見なのに具が卵ではなくトマトなのだ。なんじゃこりゃあ! これのどこが月見なのか? そう思ってメニュー看板をよく見てみると……
・これ、卵や
商品のパーツ説明が文字で書かれていた。そのトマト部にこう記されている。「血のごとく赤きとろ~り目玉焼き」と。これ、トマトじゃなくて卵や!
そう言われてみると、確かに画像にはとろりとした黄色いソースのようなものも写り込んでいる。これが黄身か。マスタードかなんかだと思っていた。
しかしながら、卵として認識した後も、トマトの上にケチャップとマスタードがかかっているようにしか見えない。ちなみに、赤いソースは紅ショウガソースと書かれている。
・メニュー画像だと謎
いや、ひょっとしたらトマトも入っているのだろうか。その上に黄身ソース的なのをかけて卵換算で月見と言っているとか? 画像だけでは謎すぎたため、実際買ってみたところ……
マジで目玉焼きが赤い。
赤いソースがついてるってレベルじゃなく白身が赤く染まっている。トマトは入っていない。代わりにレタスが入っている。上から順に具を言うと、目玉焼き、チキン竜田、レタス。
・味はどうなのか
メニュー画像でトマトのような質感に見えた目玉焼きは実物だとちゃんと目玉焼きだった。赤いだけで。とは言え、ここまで赤いと味も普通の目玉焼きではないかもしれない。この赤は何か味に影響を与えているのだろうか。食べてみたところ衝撃を受けた。
目玉焼きを噛んだ瞬間、完熟液状の黄身があふれ出す。そのまろやかさがチキン竜田の肉の旨みと絡まって激ウマだ。
月見バーガー自体そんなに食べないためか、月見と言えばマクドナルドのぶるんとした白身と固焼きの黄身というイメージが強かった。だが、ドムドムの赤き月見はそのイメージと対極にあると言える。これまで食べた月見バーガーの中で一番ウマイ。
なお、目玉焼きの味は特に紅ショウガの風味とかピリ辛さがあるわけではなかった。むしろ、全体としてはマヨネーズとチキン竜田の照り焼きソースみたいな甘辛味が支配している。だからこそ、見た目と違って味には非常に馴染みがあって、めちゃくちゃウマイと思ったわけだが。
・逆になぜ赤いのか
では、逆になぜ目玉焼きが赤くなっているのかと言うと、実はこれ、テレビアニメ『陰の実力者になりたくて!』とのコラボメニューなのである。『陰の実力者になりたくて!』は、中二病の主人公がトラックにひかれて転生するという典型的な異世界転生アニメだが、それに代表されるように主人公の発言が非常にメタいのが特徴。
アニメ1期は見てたんだけど、その神目線だと思い込んでいる主人公のメタさの裏で、本当に世界が動いていく感じはなかなか良かった。総じて、非常に中二病的な世界観である。
ゆえに、赤い月も当然出てくる。むしろ、出てこない方がおかしいくらいのノリなわけだが、今調べたら、2期のティザービジュアルや特報映像にもろ赤い月が映っていた。2期のキーワードなのかもしれない。
ちなみに、オマケでコースターと『陰の実力者になりたくて!』のオンラインゲームのアイテム引換券をもらった。チラシによると2期は10月4日から放送されているらしいから見てみようかな。アホみたいな感じがなんか癒されるんだよね。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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▼オマケでもらったコースターとアイテム引換券
▼TVアニメ「陰の実力者になりたくて! 2nd season」特報