アメ横にほど近いJR御徒町駅。駅前に建ち並ぶ宝石店の中には中東系外国人がトパーズなどを販売している店もあったりする。独特の雰囲気の高架下で、天然石卸売り会社『自然堂 本店』の軒先に謎のカプセルトイを発見した。

なんと、銭形平次の投げてる銭が入っているというのである。しかも「本物保証」と書かれているではないか。マジかよ。そんな歴史的なものをカプセルトイに入れてしまって本当に良いのか?

・本物保……

1回200円らしいのでとりあえず回してみたところ、カプセルにはガチで古銭が入っていた。どうやら、これは寛永通宝というもので江戸時代の庶民の銭貨として親しまれていたものらしい。もはやトイじゃねえ


その説明書のようなものを見ていてふと疑問に思った。「これ本当に本物なのだろうか?」と。本物保証とは書かれているが、誰が保証してるのこれ? 筐体や説明書に保証者らしき名前は見当たらない。


さらに言うなら、ビックリマンシールくらいのサイズ感の説明書においては本物保証の文字が途中で切れている。「本物保……」になってしまっているのだ。保証できてなくない?

・古銭商へ

「240年間にわたって全国で製造された」と説明書に書かれているため、レアものではないようだが、それでも本当に本物かどうかは気になるところ。なにしろ、製造終了してから150年以上経ってるわけだしな。風格は感じられるけどはたして……。


というわけで、「御徒町 古銭商」で検索したら1発目に目に飛び込んできた古銭商に持ち込んでみた。たのもー

店員さん「いらっしゃいませ」


──この古銭を見てもらっていいですか


店員さん「ああ……これはいっぱい作られててよく出てくるものですので売ってもそんなに高値はつかないですよ」


──本物なんですか


店員さん「そうですね。偽物を作っても儲からないから本物だと思います」


──売れますか


店員さん「一応売れはしますが……本当に安くしか買い取れませんよ? どうしますか?」


売ってみた


キレイ

というわけで、銭形平次の銭は令和価格で5円であることが判明した。まあ、投げるくらいだからなあ。

・金銭的価値よりも

売ったら逆わらしべ長者みたいになってしまった寛永通宝。古銭商に売ったことでリアルな温度感が分かった。マジでめちゃめちゃ出てくる感じっぽい。カプセルトイに入ってるのも納得である。

とは言え、確かに本物だし、思い出とか記念的な意味では結構良さそうだ。金銭的価値よりプライスレスな魅力の部分が大きいところはナイスカプセルトイと言えるだろう

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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