2年前から感じてはいた。「肉柄ブランケット」とか「肉柄保冷剤」とか、ユニークな福袋アイテムを展開するなぁと。

同グループの「ゆず庵」もマグロの赤身バスタオルを出したりしていたので、頭のやわらかいチャレンジングな社風なんだろうとも思っていた。

ところが、もう今年は自由とかユニークとかいう生ぬるいレベルではない。「焼肉きんぐ」の福袋は、正月から損得を論ずる我々の世界を超越し、何かを突き抜けて別次元へ行ってしまった。


・焼肉きんぐの福袋2024(税込3000円)

細かいことは後述するとして、今年のセットは以下のとおり。


・肉柄バスタオル
・B5サイズ オリジナルスケッチブック
・育てるサンチュ(サンチュ栽培キット)
・焼肉きんぐロゴ柄ロールふきん
・オリジナルデザイン輪ゴム
・4000円分のクーポン券(500円×8枚)


まず目につくのは「肉柄バスタオル」である。過去にも同コンセプトのグッズを複数出しており、揃えることで「赤身肉シリーズ」とでも呼べる大軍団を構成しているのだが……


お歳暮か


「のし」がついたうえに化粧箱に収められ、ますます贈答用の肉っぽく演出が凝ってきている。「A29等級」ってなんだよ!

なぜか年々、肉の高級感が増してきており「開けるのがもったいない」という気になっている自分がいる。



続く「B5サイズ オリジナルスケッチブック」も、ただのスケブじゃない。


図画工作、写生、同人誌即売会……少しでも絵を描いた経験があるなら触れたことのない人は存在しない、正真正銘の老舗メーカー「マルマン」じゃないかーい!

誰もが知るオレンジとブラックの直線的な表紙デザインに、しれっと馴染んでいる「お席で注文 食べ放題 焼肉きんぐ」のロゴ!!

反対側にはものすごぉぉぉく既視感のある、あのロゴやこのロゴが配されている。



それだけじゃないぞ。「オリジナルデザイン輪ゴム」は……


本物の「オーバンド#16」かーい!


よく見ると「オーヤキニク」とか「O’Saikou」とか「Yakiniku Saikou! Oisi! Itadakimasu!」とかちょいちょいおかしい。「焼肉! 最高!」となっているが、ここは「簡便! 経済!」である。しかも輪ゴムじゃなくトングつまんでるじゃないか。

きんぐはともかく、ノリノリでコラボグッズを作ってしまったマルマンや共和にも物申したい。


さらに、「育てるサンチュ」はその名のとおりサンチュ栽培キット。上手く育てれば家庭でサンチュを楽しめるという。

見るたびに焼肉を連想しそうだな。ちなみに筆者は植物を枯らす天才であり、鉢植えの維持はおろか、「○○が育つ」系の商品で成功したことが一度もない。



「焼肉きんぐロゴ柄ロールふきん」は、どこまで広げてもひたすら「焼肉きんぐ」が出てくるペーパーふきんだ。

なんか悔しいが、使うのがもったいないな。


最後に、会計3000円ごとに1枚利用できる500円クーポン券×8枚。それぞれ利用可能期間が異なっていて、前期にあたる1・2・3月分が4枚と、後期にあたる4・5・6月分が4枚となっている。



・どこまで行くのか「焼肉きんぐ」

お馴染みのクーポンはまったく問題ない。焼肉食べ放題店の性質上、会計がそれなりの金額になるため、少人数でも簡単に使い切れる。クーポンとしてはむしろ優等生である。

しかしグッズの数々よ。

このノリを薄々感じていなかったといえば嘘になる。たとえば普段、来店回数をカウントする会員システム「焼肉ポリス」。

上級会員にプレゼントされる賞品の定番といえば食事券などだが、同店では(割引券もあるが)「黄金の肉切りバサミ」や「黄金のトング」(※写真はシルバートング)などが大マジメに贈られる。


今年、筆者は当サイトの「マジで楽しみにしている2024年の福袋」記事に同店を挙げた。

それは間違っていなかった。そして来年も同じ質問があったなら、まったく同じ答えを返すであろう。

我々をどこまで連れて行ってくれるんだろう。キング・オブ・フクブクロ……いや、フクブクロ・オブ・キング……キング・イズ・キング・オブ・フクブクロ???


とにかく、焼肉きんぐよ、永遠なれ──


参考リンク:焼肉きんぐ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.