ネット上で定期的に勃発するサイゼリヤ論争。初デートで行くのはアリかナシかとか、サイゼで満足するのは貧しいとか言うお前の心の方が貧しいとか、みんなどんだけサイゼで喧嘩するのが好きなんだよという感じだが、どうやら次なるターゲットは「焼肉きんぐ」らしい。

とあるネット民が投稿した(と思われる)「焼肉きんぐを美味しいって言ってる人たち、何を食べても美味しく感じるんだろうなあ」というコメントに対し、焼肉きんぐのファンが怒りの反論。案の定、大荒れするも、その元となったコメントは発見できないというお馴染みのパターンである。

もはや微笑ましさすら感じてしまうテンプレ的展開だが、よく考えたら焼肉きんぐって、生まれてこの方一度も行ったことがないな……。実際のところどうなのか気になったため、思い切って今回は「人生初きんぐ」してみたい。

・初きんぐ

テーブルオーダーバイキング形式が特徴の焼肉きんぐ。当編集部では2020年に佐藤パイセンがランチコースを実食&執筆しているため、注文方法などについてはそちらの記事をご覧いただきたい。


さて、4種類ある食べ放題コースの中で、私(あひるねこ)が今回選んだのは一番人気だという「きんぐコース(税込3278円)」だ。大抵のメニューは注文できるようだが、特に注目は「4大名物」と呼ばれる4種のお肉。


『きんぐカルビ』と……


『上ハラミステーキ』……


『花咲上ロース』、そして……


『炙りすき焼きカルビ』である。


最初に注文したのがこれらの肉だったため、いきなり王の洗礼を受けたような気分になってしまった。な、何だこの肉の塊は……! デカすぎるだろ……!! 特にカルビとハラミとロース。デカイ上にめっちゃ厚いぞ。どうやら焼いてからハサミで切るらしいので……


豪快にファイヤーして……


豪快にカット!

・あくまでラフに

この時、肉を1枚1枚丁寧に育てるように焼くなんてことはしない。適当に転がしておいて、焼けたら即食らう。これがここでの正しい作法ではないか。ブ厚くて食べ応え満点だが、いい感じに柔らかいので(店舗によって加工をしているとの記載あり)ペロリとイケてしまうのだ。

通常のカルビやハラミも食べたが、単純に肉自体の味は「4大名物」の方が上だと思われる。まあ焼肉というよりはステーキに近い気もするけど、この時点でそれなりに満足してしまったぞ。

もちろん肉以外にも『旨辛カルビスープ』『ひとくち冷麺』『石焼ビビンバ』『バニラソフト』などなど、節操なくあれこれ食べまくった。で、これはその上で分かったことだが……かなりぶっちゃけると焼肉きんぐの肉や料理は、どれも70~75点くらいではないか。

待て待て! 別にディスってるワケではないぞ。これを低いと捉えるか、妥当と捉えるかは人によって違うだろうけど、だからといって特に不満は感じなかったし、むしろトータルの満足度はめちゃめちゃ高い。焼肉きんぐってのは、そういう場所なんだと思うな。

そもそも焼肉きんぐのファンは価格、ファミリーでの入りやすさ、メニューの豊富さ、楽しさ、お店の雰囲気などを総合して焼肉きんぐを選んでいるのであって(たぶん)、純粋に味のみで上からジャッジしてくる人間と話が合わないのは当然なのである。

よって私の結論としては、ネット民よ、今すぐその無駄な争いをやめろ。これに尽きるだろう。

・楽しんだもん勝ちか

牛角や安楽亭と比べると店舗数が少なく、都内に住む車なしの我が家にとってはそれがネックと言えばネックだが、近くにあったらまた行きたいと今回素直に思った。サイゼも焼肉きんぐも高級店も、それぞれ柔軟に楽しめた方が人生を豊かに、穏やかに過ごせそうである。

参考リンク:焼肉きんぐ
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.