空前のアウトドアブームで、いまや「ソトメシ」「キャンプ飯」はひとつの料理ジャンルと言っていい。本来は家庭料理に近いポジションのはずだが、近ごろは飲食店でまでキャンプをテーマにしたメニューを見かけるようになった。

「店で食べている時点でキャンプ飯じゃないだろうが!」というツッコミもあろうが、“キャンプ” とつくだけで「美味しそう」と思わせる理屈抜きの魔力がある。

このたび「焼肉きんぐ」で「焼肉は自由だ! ~キャンプ編~」と名づけられた春メニューを展開。どれくらいキャンプ気分になれるかレポートしてみたい。


・期間限定「焼肉は自由だ! ~キャンプ編~」

周知の事実かとは思うが、「焼肉きんぐ」はテーブルオーダーバイキング形式の焼肉チェーンだ。

3種類の食べ放題コース(ランチコースを除く)があり、今回のメニューは「きんぐコース(税込3278円)」「プレミアムコース(税込4378円)」で食べ放題となる。

そもそも焼肉自体がキャンプの定番メニューだし、自分で調理をする焼肉レストランとは相性がよさそう! 以下、順番にフェアのメニューをご紹介。


・【ほりにしスパイス】で食べる豚肩ロースステーキ

彗星のごとく登場し、ほんの1、2年でアウトドア料理界を席巻(せっけん)した和製スパイス「ほりにし」。発売からの1年間で約10万本を売り上げたという、伝説の調味料で味つけされた豚肩ロースだ。

まずは1枚のまま網で焼いて……

注:写真はトングの選択を間違っており、「焼いた肉用」を使ってしまっている。同店のテーブルにトングが2本あるのは「生肉用」と使い分けるためだそう。筆者は「2人で来た人のためかな」とずっと勘違いしていた。

ザクザクとハサミで豪快にカット


なにこれ、うんまぁぁぁぁぁい!


「ほりにし」の中毒性の秘密は、日本人の舌に合う「しょうゆ」なのだそう。たくさんの調味料が調合された複雑な味がするのに、飽きがこない素朴な印象も受ける。

とくに網で焼くと、肉がほんの少しだけ焦げて香ばしくなる。スパイスの風味と香ばしさが相まって、無限に食べられる美味しさである。シンプルに牛肉にも振ってみたいなぁ。

そもそも「ほりにし」自体が「アウトドアスパイス」として誕生している。これはもう、文句なくキャンプ飯だ!


・骨付きカルビ (ポーク) ~BBQソース~

続いてはスペアリブこと『骨付きカルビ(ポーク)』。


網にのせるとジュワッと脂が染み出してくるのがわかる! カットは小さめで迫力には少々欠けるが、すぐに焼けていいかもしれない。


甘みのあるBBQソースがついているのだが、正直言ってソース不要! ジューシーな肉の旨味と、ピリリと味が引き締まるような塩気。そのままシンプルに食べたい。

今回の肉メニュー、どちらも味が強い! スパイスの効果だと思われるが、もしお酒を飲む人ならビールがめちゃくちゃ進みそうな濃い味つけだ。ガツンとしたものを食べたいときにオススメ。

なお、同店にはテーブルに常備のタレのほか、ガリバタやニンニクなど多数の薬味がある。しかし今回の肉メニューでは、これらのトッピングは一切不要!

筆者はいつも調味料の「塩」を頼むのだが、それすらも要らない。ただスパイスのみで食べられる。スペアリブはアメリカではバーベキューの定番だというし、これもキャンプ飯と呼んでいい!


・チーズかけ放題 石焼煮込みハンバーグ

こちらは熱々の石鍋でテーブルに届いた。グツグツ……いや「ボコボコ」と表現していいほど沸き立っている。中にはビッグサイズのハンバーグがゴロゴロ。

意外なことにソースが上品で美味しい。「豪快」「シンプル」「素材のまま」といった焼肉屋のイメージをくつがえす繊細さだ。しかも、食べ終わる頃でもまだソースがフツフツとしているほどの熱々ぶりだった。

だがしかし、「キャンプっぽいか」と問われれば否(いな)である。むしろ洋食屋で「シェフ秘伝のデミグラスソースです」と言われた方が自然なくらいだ。

このときはちょっとした行き違いでチーズがないのだが、「旨味の強いモッツァレラのチーズと香りの強いレッドチェダーを、熱々の煮込みハンバーグの上にかけ放題」とのこと。


・海老とイカのアヒージョ

おしゃれなアヒージョ。「これは考えたな」と膝を打った。海老もイカも普段からある海鮮メニューで、かつホイル焼もこれまで数種類あった。

しかし、中身をオリーブオイルに変えて煮立たせ、バゲットをつけたら……


もう立派にアヒージョである! 旨すぎる!!


おかわりしたい……! けれどここは焼肉屋、パンで満腹になるわけにはいかない……!

キャンプだったら間違いなくバゲット追加である。いつもの「焼肉きんぐ」のメニューとして若干の既視感はあるものの、テーマに沿ったキャンプ風のアレンジに感服。


・網で焼く 厚切りフレンチトースト

その後もあれやこれやとオーダーし、デザートタイムがやってきた。『厚切りフレンチトースト』 ということで、クリーム色の液体がからんだ小ぶりのバゲットが届く。メニューには厚切りとあるが、むしろミニサイズ。

もともとソフトクリームはついていないが、公式でも「バニラソフトと相性バツグン!」と書いており、デザートページからオーダーしておくのがオススメ。

店員さんによると「網の端でじっくり焼いてください」とのこと。同店ではすべての注文をタッチパネルで行うが、「網交換」も同じくタッチパネルから依頼できる。肉の脂で網が汚れてしまったときには、快く交換してもらえる。

網に置くと、ほどなく端がカリカリに焦げてくる。熱々のバゲットに、バニラソフトをのせて食べれば……

もうなにも言うことはない。キャンプ飯かどうかなんて関係ない。昇天する。


・キャンプ飯、最高

気づいてしまった。ほりにしスパイスをつけて肉を焼く。熱々のオリーブオイルに具材をひたす。網でバゲットをあぶる。どれも「マズいはずがない」のである。

かつ「焼肉きんぐ」は、同業他社の中でも1品1品のクオリティが高いレストランだと思う。筆者の最寄り店は平日でも「なんで!?」と声が出るくらい混んでいる。にもかかわらず、網交換ひとつ例に挙げても気持ちよく対応してくれる。


焼肉きんぐ × キャンプ飯、ハズレなしである!


プレスリリースにはないのだが、上記のほか『鍋で食べる チキンラーメン』や『フランクフルト』といったメニューもタブレットの画面に並んでいた。チキンラーメンは普通に「1人前」が来るので、ボリュームに注意だ。

これらのフェアメニューを全部食べていると、普段のコースの肉はほとんど食べられない。店を去る頃には「焼肉屋に来た」という事実を忘れるほどだ。

フェア期間は2022年3月16日~6月21日まで。まだしばらくは楽しめるから、ぜひオーダーしてみて欲しい!


参考リンク:焼肉きんぐPR TIMES
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.