今年も余すところあと数日、仕事や年越しの準備で何かとあわただしい。仕事納めで飲み会を予定している人も少なくないはずである。この時期になると毎年、救急出動件数・119番通報が増加する。東京消防庁によると、今年は年間件数が過去最多で連日「救急車ひっ迫アラート」が出されているという。

とはいえ、緊急時に救急車を呼ぶか迷うことがあるはずである。そんなときは、救急安心センター「#7119」に電話をして救急相談することをおすすめする。

・判断に迷ったら「#7119」

東京消防庁の公式X(旧Twitter)は、2023年12月16日の段階で先に挙げた2つの件数が過去最多を更新していると発信。それとともに「今後も年末年始に向けて更なる救急車の出場増加が見込まれます」と呼びかけている。


実際、23日からほぼ毎日のように救急車ひっ迫アラートが発表されている。また、年末年始はさらなる救急車の出動増加が見込まれるとのことだ。



いざという時にどうすれば良いのか? 判断に迷う場合は「#7119」に電話すると良いだろう。これは総務省消防庁の「救急安心センター事業」に基づくもので、医師・看護師・相談員が対応してくれるので、医療に関する適切なアドバイスを得ることができる。

相談して緊急性が高くないと判断された場合は、最寄の受診可能な医療機関を案内。急を要する場合は、そのまま救急出動へとつないでもらえる。24時間年中無休で相談は無料だが、通常の通信料がかかるので、その点、ご了承いただきたい。


なお、「ためらわずに救急車を呼んでほしい症状」については、東京消防庁が資料(PDF)を公開しているので、そちらを参考にしてほしい


実は先日、妻の体調が急に悪くなった。幸い、本人の意識はハッキリしており、重篤な状態ではなさそうだった。とはいっても、医療の専門家ではないので、救急車を呼ぶべきか……、最寄の病院まで徒歩で行けるが妻が歩いていくことができるのか……。判断しきれない。

そこで#7119に電話をして、専門家に判断を仰いだ。その結果、夜間外来を受け付けてくれる病院を5つ案内してもらうことができた。電話をした後に、妻の調子が持ち直したので、翌日受診するに至っている。

妻が苦しんでいる様子を見て、即座に何もできないことにうろたえてしまったが、担当者の落ち着いた対応と的確なアドバイスにずいぶんホッとした。相談できるだけで、私(佐藤)自身も落ち着けたのは気のせいではないはずである。



東京消防庁によると、救急搬送の半数が入院を要しない軽症とのこと。とはいえ、家族や友人が痛がったり苦しんでいる様子を目の当たりにして、落ち着いて判断できる人は少ないはずだ。

そんなときに#7119の活用をおすすめする。ちなみに#7119の実施エリアは限られているので、あらかじめ地域を確認して利用して頂きたい。エリアに関しては、総務省消防庁の「救急車の適時・適切な利用」のページの「#7119実施エリア」の項目を確認してほしい。


参考リンク:東京消防庁救急相談センター総務省消防庁、X @Tokyo_Fire_D
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24