埼玉奥地にある「100万円の古民家」の2階で作業していると、アホな上司ことYoshioの声がした。しきりに私を呼んでいる。
なんやなんやと外に飛び出していくと、興奮した面持ちで彼は言った。
「ついにジョウロ4つを使っての永久機関が完成したよ!」。
・絶対に無理なやつ
“ジョウロ4つの永久機関” といえば、ついこの間、砂子間が実験して失敗したやつ。何をやってもダメだったと。
そもそも冷静に考えれば、物理学的に成功するわけがない。それを成功しただなんて……Yoshioは本当にアホなんだな……
──と思いきや!!!!!!
で、できとるやん……!
永久機関なっとるやん……!
本当に成功しとるやん!!!!
これヤバイって! ノーベル物理学賞まったなしだって! 歴史に名が刻まれるレべルの大発見だって!!
よく「バカと天才は紙一重」と言うが、アホと天才も紙一重なのかも……と感心してたら、Yoshioがニコニコ面でこう言った。
「それでは、たねあかしします!」
──た、種明かし?
「真上からご覧ください」
──えっなにこれ! ジョウロの中に、露天足湯でも使った「バスポンプ」が入っとる!
つまり……
「水を汲み上げて、水を出して × 4」ってこと!? でもこのバスポンプ、バッテリー式じゃなくてコンセントが必要なタイプなんだけど……
「落ち葉で隠しております」
──なんと、紅葉シーズンが終わりかけた “イチョウの葉っぱが落ちてくる時期” を狙って、実に違和感なくコードを隠していたのである!
さらに!
Yoshioが座っていた収納ボックスの中にはポータブル電源とマルチタップ、そして、バスポンプのACアダプタが4つも入っているではないか!
なんという詐欺師!!
……というか、マジシャンみたいな道具の使い方だなこれ。Yoshio、なにげに手品師としての素質あるのかも?
──てな感じで、“ジョウロ4つの永久機関” は、中にバスポンプを仕込めば再現できるという結論になった。
ちなみにこのポータブル電源はソーラーパネルで充電しているので、壊れない限りは永遠に電気を生み出し、バスポンプも稼働し続ける……ということになる。
ということは、ある意味、“ジョウロ4つの永久機関” は完成している?
アホな上司ことYoshio、やはり実は天才なのかも……。
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24
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