15日の未明に「ふたご座流星群」が極大を迎える。見ごろとしては、14日の夜から15日の未明にかけて。13日が新月だったため、月明かりの影響は皆無。非常に理想的な条件が揃っている

しかし、きっとあなたはこう思っているのだろう。「でも普通の住宅街じゃ無理でしょ」。実のところどうなのか、ピーク前日の出勤前に30分だけ試した結果を共有する。

・見える

結論から述べると、住宅街でも見られる。山の上や田舎ほど簡単ではないし、見える数はかなり少なくなる。

それでも見えるか見えないかで言えば、「ふたご座流星群」のように三大流星群レベルであれば駅まで徒歩15分くらいの首都圏の住宅街からでも流星を見ることができる。

実は私は毎年、流星群の時期には近所のマンション前の児童公園で流星を見ているので、やるまでもなく見えると知っていたわけだ。

しかし、実際に見えるまでにどれくらい眺め続ける必要があるのかというのは、チャレンジしたことがないと分からないと思う。今回の試みを例として、盛らない実態を示そうと思う。


・リアル

ということで、これがリアルな首都圏の住宅街からのふたご座方面。街灯と民家の灯りだらけで、本当に明るい星しか見えない。ふたご座は中心の雲に隠れている。


今朝は時間に余裕があったため、家から駅まで向かう途中で30分だけ撮影することに。そんなに期待していなかったが、幸いにも流れ星をとらえることができた。写っていたのがこちら。左端に注目。


直後に立て続けに2個流星が発生し、それを1枚の写真に合成したものがこちら。わかりやすいよう、ふたご座も線でなぞっておいた。


流星の明るさが中々のものなので、肉眼でも見えたのは自明だろう。ただ、残念なことに、この3個の流星はふたご座流星群とは全く無関係のものだ

時刻は午前6時ごろで、中心のふたご座がほぼ真西。この3個の流星は、南の空から西の空の高い所めがけて駆け抜けたため、現在アクティブなどの流星群にも属さない、野良の流れ星だと思われる

たった30分では、ふたご座流星群の流星を見ることはできなかったわけだが、すくなくとも首都圏の明るい住宅街でもけっこう流れ星は見えるというのは示せたのではなかろうか。



・2時間くらい

では、どれくらいの時間をかければ、住宅街でも流星群を楽しめるのか? あくまで私の経験に基づいた個人的な見解だが、本気で住宅街から流星群を見るつもりであれば、2時間くらい観測し続けるべきだろう。

それくらい空を眺めていれば、野良の流れ星が1つくらいに、目当ての流星群のものと考えられるものを3つか4つくらいは期待していいと思う。

運が良ければ観測開始から5分くらいで何個も見えて、高い満足度を得られる時もある。その辺はその時々の流星群の活発度にも大きく左右される。

ということで、いかがだっただろう。恐らくどこのメディアも試みようとすら思わない、あまりにもリアルな “その辺の住宅街からの流星群観測” の実態。

明け方の30分では野良の流れ星しかとらえられなかったが、イメ―ジされがちなほど絶望的ではないのは本当だ。一般的に思われている以上に、普通の住宅街でもでも流れ星は見えるのだ。活発な流星群など、時間さえかければ、ほぼ100%見られる。

いよいよ今夜(14日の夜から15日の未明)がピークなので、普段はスルーしている方も、この機に試してみてはいかがだろう。

ちなみに、私のように日の出直前にやるのは、すでに空が明るくて良くない。カメラなど設置していると、始発で通勤通学する人々にガン見されたり、民家の盗撮を疑われて巡回しているパトカーに職質もされる。0時とかそれくらいにやるのがベター。

執筆&写真:江川資具
Photo:RocketNews24

▼流星が撮れた前後のタイムラプス。日の出直前だったので最後は普通に空が明るい。ちなみに写真は全てISO50、F1.4、10sec。星を撮るとは思えない設定。これが住宅街星景写真。