何かを始めるのに年齢は関係ない──とはよく聞く話だが、歳をとればとるほど一歩を踏み出すのが難しくなる。経験は積めば必ず役に立つわけじゃなく、失敗を恐れる変なプライドにもなりえるからだ。

それもあって、アラフォーの私は一歩踏み出すのを長らく躊躇(ちゅうちょ)。コレと言って新しいことをしてこなかったが、今年の夏にチャレンジしてみようと思い立った。禁煙してお金が浮いたことで、以前から興味のあったゴルフを始めたのだ。

・猛練習の5ヶ月

それから早いもので約5ヶ月が経った。この間、ちょっとでも時間があればゴルフスクールのレッスンへ行く毎日。室内練習はもちろん、休日になれば外の打ちっぱなしにも積極的に行ってきた。


とにかく練習&練習の猛練習。もはや会社よりも練習場へ通ったような気がするが、自信がなかなかつかなかったことでコースデビューするまでには至らず。気がつけば今年が終わろうとしていた。


せっかく頑張ってきたのに、このままじゃイカン……そろそろ前へ進まないとイカンなぁ……。ということで、当編集部の砂子間記者(ゴルフ経験者)に相談したところ、年を越す前にコースへ連れて行ってもらえることになった。



・初のゴルフ場

そして12月上旬、ついにコースデビューの日がやってきた。前日は夜中に4回起きてしまうほどドキドキしてあまり眠れず。まさかアラフォーのオッサンにもなってこんな感情を覚えるとは思っていなかったが、とにかく私にとって記念すべき1日が始まった。


右も左も分からない私は、ただただ必死についていくのみ。砂子間記者のアドバイスに従って、アイアン、ドライバー、サンドウェッジ、それからパターと自分の持っているすべての力を出して奮闘した。

では、実際にコースへ出てどうだったのかというと、猛練習を積んできただけに思っていたよりもクラブを振れている自分がいた。見当違いの方向へボールが飛ばなかったからホッとしたと同時に、もしかしたらイイ成績を残せちゃうかもなんて気持ちも芽生えたものだった。


……だが!!!!


それは序盤だけで、途中から頭が真っ白でどうしたらいいのかサッパリ分からなくなってしまった。というのも、力んでしまっているからなのかどう打ってもスライスを連発。

ただでさえ距離感もつかめていないのにボールが右ばかりに飛ぶと、負の連鎖から抜け出せなくなったのだ。


唯一、救いだったのはスクールの先生からあらかじめ「その場で修正しないで」と教えられていたこと。スライスするのを前提で構え、ボールが正面に飛ぶようにしたことで周囲に迷惑をかけまくらずに済んだ。

長年、経験を積んだプレイヤーならまだしも、私のような初心者がすぐに修正しようとしたら逆にすべてが崩壊してしまうリスクがあるらしい。そのことを先生は分かっていてアドバイスをくれていたのである。まぁそれでも……


ボールがなくなりまくりの失態続きな上、バンカーとパターに関しては最後の最後まで明るい兆しが見えなかった。

自然の中でのプレーこそ気持ちよかったものの、室内とは勝手が違って思うようにいかず悔しい気持ちでいっぱい。結果的に大きくスコアを叩きまくってしまったのだった……。



・チャレンジする大切さ

とはいえ、この5ヶ月で培ってきたものは出せたとは出せたような気がする。ところどころレッスンで教えてもらったことを活かせたし、うまく打てたときは自信にもなった。

まだこれが一歩目だし、これから伸びしろがあると思えば上々のデビュー……だったと思いたい。なお、スコアの方はどうだったのかというと……


9ホールをやって70打。通常の18ホールやっていたら単純計算で140打だから、ほろ苦いデビューといったところだろうか。いや、ググったら平均くらいとも表示されたから決して悪くはないのかもしれない。



いずれにしても、最終的には「やりきった」という気持ちで清々しかったし、加えてこの日は12月と思えない暖かさ。そして快晴とこの上ない環境でデビューできたから最高の1日になった。

1打目が最初のレッスンで初めて握った8番アイアンでスタートできたのも感慨深かったし、今回の経験は絶対に忘れない。そうそう、そういえば1日をこんなにも充実して過ごせたことにも驚いた。


歩きながらゴルフをして温泉に入り、それからお酒……と、そりゃゴルフが好きな人が多いわけだと。ゴルフは年齢を重ねてもできるスポーツだし、これから長い付き合いになりそうだ。

こうしてコースデビューした私は、翌日も即練習。ゴルフのことがもっと好きになったし、趣味と言える楽しみができたのを改めて実感している。次はもう少し上手になって、いいスコアを目指したい。

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.