回転寿司屋の前を通ったら、『売れてない最弱の寿司』が貼り出されていたので思わず二度見してしまった。なんという血も涙もない仕打ち。学校でいうならば、モテない生徒の氏名を掲示するようなものではないか。

……と思ったのだが、同時に「売れてないヤツがどんな感じなのか確かめたい」という気持ちを止めることができなくなった。そのまま入店したところ、色々と考えさせられる結果になったので報告したい。

問題の店は、「回転寿司みさき」。あのスシローと同グループのチェーン店で、スシローと共通点は多い気がする。ざっくり比較しただけでも、どちらもコスパが高い点、タッチパネルで注文できる点……などなど。


現在、その「回転寿司みさき」では「三味祭(さんみまつり)」なるイベントが開催中で、特定の寿司が三貫セットで売られている


たとえば、本まぐろ漬け&ねぎまぐろ軍艦&めばちまぐろは『赤い三貫盛(390円)』として、本まぐろ大とろ炙り塩レモン&生うに軍艦&いくら軍艦は『おとなの贅沢三貫盛(990円)』という風に。


『売れてない最弱三貫盛(390円)』もその一環で販売されているもので、ラインナップとしては本まぐろ漬け&梅しそ生だこ&まぐろアボカドとなる。


──これを見て、「その3つはやっぱり売れてないよね〜」と納得する人がどれくらいるだろうか? 少なくとも、私はまったく腑(ふ)に落ちなかった。

本まぐろ漬けも梅しそ生だこも今までよく頼んでいたからで、売れてない理由が分からない

さらにだ。じゃあ一体何が売れているのかと気になって、『売れてる最強三貫盛(330円)』の内容を見たら、めばちまぐろ&ねぎまぐろ軍艦&はまちとあるではないか。


最弱と一体どう違うのか?


どっちも似たようなもの……というか、好みの問題としか思えない。私個人としては、むしろ “最弱” の方が好き。なんだかモヤモヤしながらも、とりあえず2つを頼んでみた。




並べた画像を見て「どっちが最弱でどっちが最強でしょう?」と聞かれても、ピンと来ない人が続出するのではないか。なお、ここに高級クラスの『おとなの贅沢三貫盛』を加えると……


たしかに『大人の贅沢三貫盛』から別格感が漂っているが、 “最強” と “最弱” はどっちも同じようなレベルだと思う。っていうか、「本まぐろ(漬け)」が最弱グループで「めばちまぐろ」が最強グループってどういうこと!?

――となかば混乱しながら味を確かめてみたが、やはり最弱が最弱である理由は分からなかった。むしろ、食べれば食べるほど最弱を頼むべきという気持ちが強くなってきた


というのも、普通に注文したら基本2貫ずつになるが、この「三貫盛」だと1貫ずつ3種類出てくる。つまり、事実上「1貫だけのお試し注文」が出来るのだ。

その1貫を食べて「美味っ!」となったら追加で単品注文すればいいし、合わなかったら止めとけばいい。

で、売れてないということは、それだけ食べたことがない人も多いってことだろうから、狙うべきはむしろ最弱……と思ったのだが、いかがだろうか。

ちなみに、「三味祭(さんみまつり)」は2023年11月19日までの開催。気になる人はそれまでにどうぞ。



いや〜それにしても、自虐のように見せて「普段あまり売れてないものを売り出そう」という戦略、実にお見事ですね……。


参考リンク:X(旧Twitter) @kaisen_misakiko
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼左が “最弱” の「本まぐろ漬け」で、右が “最強” のめばちまぐろ。なぜか “最弱” のネタの方が分厚かった

▼このようなPOPがレーンを回っていた。なんちゅう晒しだよ!