ジャンボ! アフリカはケニアの首都ナイロビでタクシー運転手やっているチャオスだよ。


42もの部族がいる多民族国家ケニアだけど、オレは「カンバ族」に属している。


かの有名なマサイ族は「戦士」の部族、みたいなイメージがあると思うけど、カンバ族はどうなのか?


・カンバ族は職人の部族

オレ的には、カンバ族は「プロフェッショナルな職人だらけの部族」であると思っている。とにかくモノを作るのが上手なんだ。


特に木材加工の腕前はピカイチで、非常に熟練した職人たち(カンバ職人という)が大勢いて、今でも彼らは素晴らしい作品を作っている。


手彫りの動物、手彫りの壁(壁細工)、手彫りの家具など、「ケニアのおみやげ」で売ってるような素晴らしい作品は、だいたいカンバ族が作っている。


そんな我々カンバ族には、こんな伝説も残っている。



・カンバ族に伝わる「職人伝説」

遠い昔。カンバ族の祖先たちは、服ではなく毛布を羽織るだけの姿で暮らしていた。


すると1人の職人がひらめいた。


「木から下半身を覆うもの(要するにズボン)を作ったらどうだろう」と。


思いついたら即実行。


まず彼は木を切り倒し、木を曲げ、自分サイズのズボンを作ろうとした。


普通ならここで失敗すると思うけど、そこは百戦錬磨のカンバ職人。


なんと、彼のサイズぴったりの「木のズボン」が完成してしまったのである。


はいてみると、まさしくジャストフィット。しかもカッコいい。


ところが、動こうとすると、重かった。そりゃそうだ、木でできているのだから。


そのうち彼は木の重さで動けなくなり、それを周りで見ていたカンバ族の祖先たちは、重要なことを学んだ。


「毛布でズボンを作ればいいのだ」と。


しかし、よくよく他の部族が住むエリアに行ってみると、そこらじゅうで布製のズボンは売っていた。


それからだ。カンバ族が毛布だけではなく、洋服を着るようになったのは──みたいな。


ウソかホントなのかはわからないけど、そんな伝説が残っているほど、カンバ族の作る作品は素晴らしいってこと。


もしもケニアに行って、木製の動物の置物とか、そういうお土産を見たら「カンバ族?」と聞いてみるといい。


もしもカンバ族の作品だったら、どうか買ってあげて〜。そしてカンバ族のことも思い出してほしい。ではクワヘリ!


執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

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