桃太郎伝説といえば、岡山県を思い浮かべる方がほとんどだろう。しかし “発祥地” を名乗る場所は全国各地にある。山梨県大月市もその1つで、古くから桃太郎伝説の言い伝えがあるらしい。大月駅前には「ようこそ! 桃太郎伝説の街、大月へ!」と書かれた看板があった。

そんな大月駅で富士山ビュー特急の乗車券を購入したら、駅員さんに「出発は1時間後」と言われてしまった。さすがにホームで1時間は待てん。ってことで、テキトーに駅前の和食店「濱野屋」に入ると……マジかよおい。世界でも珍しい「富士の介」が食べられるだとォォ!

・桃太郎伝説より富士の介

富士の介とは、サケの中でも最大のサイズを誇るキングサーモン(和名:マスノスケ)とニジマスを交配し、山梨県水産技術センターが開発した新しい品種。2019年にデビューしたブランド魚だ。さかなクンが応援団長に就任したことも話題になったのでご存知の方も多いだろう。

四方を山に囲まれた山梨県は「天然の水がめ」と呼ばれるほど豊かな水に恵まれている。きれいな淡水で養殖された富士の介は、身の赤みが鮮やかでサーモン独特のクセが少なく、きめ細かい身質や旨味のある脂が特徴だそうだ。

濱野屋の人気メニューは「特選 富士の介丼(2200円)」や「ほうとう御前(1760円)」とのこと。聞けば、富士の介は養殖場から直接仕入れているらしい。

……やはりここは富士の介丼を頼むべきだろう。時間潰しのテンションで入って「2200円のランチ」を食べるのはかなり勇気が必要だったが、思い切って注文することにした。


・富士の介丼

富士の介丼は5分も待たずにやってきた。鮮やかなオレンジの富士の介は艶感があって見るからに新鮮。味噌汁、小鉢、漬物付き。丼にはたっぷりマスコ(マスの子供)が添えられている。うむ、期待通りのビジュアルだ。美味しそう。


……味は期待以上だった。分厚めに切られた富士の介はなめらかでもっちりとした食感。脂のノリがよくて弾力があり、舌触りもよい。とろっとした旨味が口に広がっていく。


まさに富士の名にふさわしい上品で堂々とした味わいである。これはウマいものを食べたぞ。富士山ビュー特急の1時間待ちに感謝である。


いくらよりやや小ぶりのマスコもかなり濃厚。全体的にボリュームがありつつも、さっぱり食べられるのが良い。思わず「山梨ありがとう」とつぶやきたくなるレベルの満足度だった。

というわけで、大月駅で時間を潰すなら富士の介がおすすめ。1時間程度の時間潰しなら桃太郎伝説の検証より富士の介だろう。たまたま入ったお店の料理がアタリだと1日気分が上がりますよね。皆さんも機会があればぜひ!


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名濱野屋
住所:山梨県大月市大月1-3-3
時間:11:00〜21:00
休日:年末年始

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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