再開発ですっかり様変わりした下北沢駅前。迷路みたいだった高架下はスッキリしたストリートになりオシャレな店が建ち並ぶ。アジア系飲食店なのに綺麗で可愛いところは、映えという感覚が生まれて以降の新世代的街づくりだ。実際、若者いっぱいいるしな。

だが、10年前の下北沢バンドマンである私(中澤)からしたらちょっとあの辺りでは飯を食べる気にはなれない。微妙に高いし。そんな感じで昼飯を食べるところを探してブラブラしていたら『伝説のすた丼』でのり弁が売られているのを見つけた

・色々増せる

色々変わった駅前にあってこの『伝説のすた丼』は変わらないものと言える。だが、『伝説のすた丼』にのり弁があるとは知らなかった。調べてみたところ店舗限定メニューらしい。

ちくわ天、白身魚フライ、すたみな唐揚げ、すたみな炒めと盛り盛りで890円というのもコスパが良い。そこで入店して券売機を見てみたところ、「並盛り(890円)」「飯増し(1070円)」「肉増し(1140円)」「肉飯増し(1320円)」「W肉増し(1390円)」とかなり色んな種類のバージョンアップが選べる様子。テイクアウト限定の弁当なのに地味に凄い。


・囚われの海苔

正直、朝から何も食べていないので気持ち的には「W肉増し」がいけそうなくらいお腹は空いている。だが、相手は『伝説のすた丼』。最上級は私の容量を超えてきてもおかしくない。そこで選択したのは「肉増し」。正直、日和った。と思いきや……


海苔どこだよォォォオオオ!!

肉・肉・肉。ちくわ天、白身魚、唐揚げ以外の部分は全部肉。隙間を埋め尽くすように肉が入っている。日和ってこれかよ。そんな肉を掘っていくと、隙間から肉の脂で虫の息になっている海苔が見えた。の、海苔ィィィーーーーーーーー!!!

・惨状の幕が開く

一体どうしてこんな惨状になってしまったのか? 震える手で付属のとんかつソースとタルタルをかけて食べたところ、にんにくの風味と合わさって凄まじいジャンクさが醸し出される。

思えば、のり弁なのに弁当容器ではなくどんぶり型なことにも違和感がある。と、その時、弁当に語りかけられた気がした。「一体いつからのり弁と錯覚していた?」と──。


・鏡花すた月

ひょっとしたら『伝説のすた丼』はハナからのり弁なんて作ってなかったのかもしれない。これは白身魚と唐揚げとちくわ天と海苔が乗っているだけのすた丼である。食べ終わった後のゲップがそう物語っていた。これぞのり弁の完全催眠。砕けろ、鏡花すた月。

のり弁の皮をかぶったすた丼であるこの弁当。その強さといい、弁当界の藍染惣右介と言えるだろう。はたして、あなたは冷酷無比な肉の支配から囚われの海苔を救出することができるだろうか? 肉解

・今回紹介した店舗の情報

店名 伝説のすた丼 下北沢店
住所 東京都世田谷区北沢2-11-8
営業時間 11:00~23:00
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.