今から7~8年ほど前、NY発祥のハンバーガーショップ「シェイクシャック」の初上陸を皮切りに、日本ではちょっとした “上陸ブーム” が起きていた。例を挙げると「UMAMIバーガー」や「クロニックタコス」などがそれに当たる。
あれから数年、シェイクシャック級の超大型飲食店が日本に上陸したというニュースは聞かないが、一部のファンたちから「日本にも出来てくれー!」と熱烈な支持を集めているのが “最後の黒船” とも称される『ファイブガイズ』だ。
・超人気ハンバーガーショップ
まずはざっくりと『ファイブガイズ』の説明をしておこう。『ファイブガイズ(Five Guys)』は全世界1700店舗以上を展開する、バージニア州発祥のハンバーガーショップである。その人気はすさまじく、各種調査でたびたび1位を獲得している……と、Wikipediaに書いてあった。
特徴的なのは冷凍ではなく生の牛ひき肉を使用していることで、ハンバーガーは全てオーダーが入ってから作られる。その他にも「多種多様な無料トッピング」「ピーナツ食べ放題」などなど、とにかく話題には事欠かないバーガーショップなのだ。
言うなれば、日本でもファンがメチャメチャ多い「イナナウト(In-N-Out Burger)」と並ぶ最後の超大物バーガーショップ、それが『ファイブガイズ』である。
で、かねてから「ファイブガイズは美味しいよ!」と聞いていた私(サンジュン)は、先日出かけたニューヨークにて念願の “ファイブガイズデビュー” を果たすことに。Googleマップで確認しただけでも、マンハッタンには4店舗のファイブガイズがあった。
・念願のファイブガイズ
店舗の造りは特に高級感があるというワケではなく、どちらかと言えばシンプルで庶民的な構造。注文はファイブガイズの大定番だと聞いた「チーズバーガー」「フレンチフライ(レギュラーサイズ)」「シェイク」をオーダーした。
お味の方はというと、一口目を食べた瞬間に「イナナウトに似ているな」と感じた次第だ。つまり「素材重視で丁寧に作られたハンバーガー」というワケ。イナナウトの記事にも書いたが「しみじみウマい週5で食えるバーガー」といった印象である(よりしみじみはイナナウト)。
パティは肉のウマさが力強く、バンズはしっとりとした口当たり。シェイクシャックのようなファーストインパクトには欠けるものの、気付けばペロリと食べ終えてるような “さりげなウマい系バーガー” と考えていいハズだ。
・日本には来なさそう……
「これは日本上陸を望む声があるのも頷ける……」と個人的には激しく納得したが、残念ながらことはそう簡単には運ばないことだろう。理由はズバリ「ファイブガイズ側に日本上陸のメリットが無いから」と申し上げるしかない。
というのも、今回オーダーした商品の価格は、チーズバーガーが11.09ドル(約1627円)、フレンチフライが6.49ドル(約952円)、シェイクが5.69ドル(約835円)だったので、軽く3400円以上が一食で吹き飛んだ計算になる。
NYの店舗がひと際お高い価格設定であることは考慮しても、この値段を日常的に出せる日本人はそう多くないハズ。「日本に来てもファイブガイズにメリットがあらへん」と率直に感じると同時に、激しい円安とNYの物価高に悲しみの涙を禁じ得なかった。
前述のWikipediaによれば、ファイブガイズはここ数年「ドイツ」や「オーストラリア」にも上陸しているという。日本のマーケットは魅力に欠けるということなのだろうか? ハンバーガーが美味しければ美味しいほど、ちょっぴり切なくなるNYの夜であった。
参照元:ファイブガイズ(英語) 、 Wikipedia
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.