来たる2023年7月28日、Nintendo Switch用ソフト『なつもん! 20世紀の夏休み』が発売される。本作は『ぼくのなつやすみ』シリーズで知られるミレニアムキッチンの綾部和氏が手がけた “ほのぼの夏休みアドベンチャー” の最新作で、主人公は10歳の少年だ。
んで、その少年というのが「まぼろしサーカス団」の団長の息子という設定。海の見える田舎町にやってきたサーカス団の少年はどんな夏休みを過ごすのだろうか。気になったので発売前の先行体験会に参加してきたのだが……これがマジでとんでもない体験会だった!
・なつもん! 20世紀の夏休み
各地を巡る「まぼろしサーカス団」が、1カ月間の公演を行うために田舎町「よもぎ町」にやってきた。このようなサーカスの移動は「場越し」と呼ばれる。団員はもちろん巨大テントも団員たちの住居も “場所が丸ごと引っ越す” から「場越し」なのだ。これ豆知識です。
そんなわけで主人公の少年は、1カ月間だけ「よもぎ町」で生活をすることに。3Dのオープンワールドで描かれる町内には、海があって山があって……さらに、ひまわり畑や鉱山跡地などの探検場所もある。ロードや画面の切り替えがなく移動できるのが大きな特徴だ。
「だいたい4キロ四方の大地で遊び倒してください」と綾部氏。なるほど、行こうと思えばどこへでも行けるってことか。つまり子供の頃のように好きなように遊びまわって楽しい思い出をたくさん作りましょうってことなのだろう。実際にゲームをプレイしてみると……
主人公の少年はサーカス団長の息子なだけあって、メチャメチャわんぱくで怖いもの知らず。夏休みの子供らしく、朝は近所の神社でラジオ体操。そのまま夕方まで昆虫採集、木登り、魚釣りなどなど……好奇心や冒険心のおもむくままに1日中ひたすら遊び続けるのだ。最高〜。
さまざまな体験は絵日記に記録できる。こういうのって後で読み返すと面白い。自分だけの絵日記を完成させるのも楽しみの1つだぞ。
ちなみに昆虫や魚の種類を集めたり、多くの人に話しかけたりして “冒険” を達成するとステッカーがもらえる。ステッカーを手に入れるとスタミナ上限が増加して、より高いところに登れたり、長い距離をダッシュできるようになる。つまり、わんぱく度が増すってこと。
では、私がどれほどわんぱくになったかと言うと……
夜中にサーカスの大テントにのぼって
テントの上から
風呂敷を広げて飛び立つくらいわんぱくになった。
さすがサーカスで生まれ、サーカスで育った子供である。自然豊かな田舎町でひと夏を過ごすうちに、超人レベルの度胸と身体能力を身につけたようだ。
・サーカス公演
物語が進むとサーカスの演目を自由に決められるようになるという。実は「まぼろしサーカス」も問題を抱えていて、興行を成功させるには主人公の助けが必要らしい。これも団長の息子の宿命なのだろうか。
公演をくり返すとサーカス団がレベルアップし、1度の公演で披露できる演目が増え、新たな演目・衣装・曲が入手できるようになる。空中ブランコやオートバイショー、さらにジャグリングや古典芸などを組み合わせて「よもぎ町」での公演を大成功に収めるぞ。
それでは、私が組んだプログラムを紹介したい。オープニングを飾る演目は “死の大車輪” を意味する「ホイール・オブ・デス」。巨大なホイールの内外を出入りしてパフォーマンスを繰り広げる芸で、数ある演目の中でもとくに危険だがインパクトは抜群。つかみはOKだろう。
つづいて華麗なジャグリングを披露するのは、まぼろしサーカス団の大黒柱であるナガセさん。超ファンタスティックな大技の連発に観客の目はくぎ付けになる。見た目は癒し系なのにすごい!
そして球体の中を縦横無尽に走り回るオートバイショー。サーカスを代表する人気演目の1つだ。ちなみにオートバイホールを設営・解体するのも団員の仕事である。
ふたたびナガセさんが登場し “足芸” を披露する。難易度の高い曲芸を軽々とキメるベテランは最高にかっこいい。
公演のトリを飾るのは大迫力の空中ブランコ。サーカスの花形演目である。美男美女が大空を舞う。躍動感あふれる多彩な演目で、夢と感動を与え続けるのがサーカスなのだ。
そんなこんなで舞台と客席が一体となって公演は無事に終了。ちなみにミレニアムキッチンの綾部氏は「ホイール・オブ・デス」、トイボックスの和田氏は「オートバイショー」、スパイク・チュンソフトの榊原氏は「シーソー」を推していた。演目選びの参考になれば幸いだ。
さて、本作は8月1日から始まり、8月31日にエンディングを迎える。「よもぎ町」での1カ月の公演を終えて、まぼろしサーカス団は次の公演地に向かうのだろう。もちろん心残りがあれば、もう1度夏休みを延長する楽しみ(周回プレイ)もあるぞ。
景色の良い場所でぼーっとしているだけでも気持ちいいし、プレイ後もいい感覚が残る。今の子供も昔の子供(大人)も一緒になって楽しめるゲームではないだろうか。というわけで、楽しい体験会は終了……
しなかった。
翌日、なんと世界三大サーカスの「木下大サーカス」を観覧することに。って、おいおいマジかよ。しかも会場に到着するや否や……
木下サーカス団員のジャグリングアーティスト、ブライアン・ドレスナーさんが高速ジャグリングを披露。いきなりスゲエエエエエエエエエエ!
これが本物のサーカスかァァアアアア!
・木下大サーカス
年間120万人という世界一の観客動員数を誇る木下サーカス。約3カ月おきに移動(場越し)をしていて、2023年夏は北海道札幌市で公演を行っている(10月15日まで)。
お近くの方はゲームに登場する空中ブランコやオートバイショーを間近で見られるチャンスだろう。ちなみにこの日の公演では……
地上10メートルの高さまで椅子を積み上げ、頂上で倒立をする「セブンチェアーズショー(七丁椅子の妙技)」や……
ゲーム内で癒し系のナガセさんが披露した「足芸」……よりもさらに難易度が高いと思われる日本古典芸「足芸ふすま」。
さらに大迫力の「Wheel of Death(ウィール・オブ・デス)」などが披露された。危険な技の連続に歓声と悲鳴が交錯する。
ちなみに世界に先駆けて始めた木下サーカスの「オートバイショー」は、なんと3台が同時に縦に横にぐるぐると回る。並走時はお互いのハンドルが20センチほどまで接近するらしい。耳をつんざくようなエンジン音がテント内に響き渡る。スゲエエエ!
そして、木下サーカスの大トリといえば「夢のダブル空中ブランコ」。人間が最も恐怖感を覚える地上約13メートルの高さで団員たちが華麗に宙を舞う。文字どおり、命懸けのパフォーマンスはいつの時代も観客を魅了するのだろう……やはり、サーカスは最高だった。
・2023年夏の思い出に
まとめると『なつもん! 20世紀の夏休み』はスパイク・チュンソフトから2023年7月28日に発売される。サーカス団員の息子が田舎町「よもぎ町」で過ごすひと夏の思い出が描かれる作品だ。くり返しになるが、きっと親子で一緒に楽しめるゲームとなるだろう。
そして木下大サーカス札幌公演は、2023年10月15日まで旧月寒グリーンドーム跡地で開催されている。ゲームをプレイした後に “生のサーカス” を楽しむのもアリかもね。今年の夏の思い出にいかがだろうか。
参考リンク:「なつもん! 20世紀の夏休み」 / 木下大サーカス公式サイト
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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