沖縄の離島、石垣島には地元民なら知らない人がいないくらいの ”THE B級グルメ” とも呼べる、名物メニューが存在する。それが『オニササ』だ。
先日、私(耕平)が初めて家族を連れて石垣島に旅行に行った飛行機の中でも、着陸した際にCAさんから機内アナウンスでおすすめのグルメと称して、このオニササを「ぜひ食べていただきたい!」と乗客にオススメしていたくらい。
近年ではメディアに取り上げられることも多くなったらしいが、私自身、何度も石垣島には訪れているものの、一度も食べたことはなかった。
そこで今回、この『オニササ』を食してみようと、発祥の地である「知念商会」に足を運んだ。
・『オニササ』とは?
まずは知らない人もいると思うので、『オニササ』について説明しよう。端的に言うと、「おにぎり(オニ)」と「ササミフライ(ササ)」を合体させたB級グルメのこと。
と言っても、おにぎりの中に具としてササミフライが具として入っているわけではない。オニササの特徴は、おにぎりとササミフライをビニールに入れて、ケチャップやマヨネーズ、ソースなど、お好みの調味料を投入。その後、ギュッて潰すことで合体させて食べるという、ありそうで無いスタイルだ。
そして冒頭でも紹介した、オニササ発祥の地「知念商会」に到着。
こちらは個人経営のスーパーで、オニササ以外の食品や日用品も充実している。入口には「元祖オニササ」と書かれた のぼりが。
店内に入ると、お弁当を始め、お惣菜や八重山そばなどがズラリ。これだけ見ると普通の街のスーパーだが、その奥にオニササのコーナーが配置されている。
・オニササ作りにチャレンジ
オニササコーナーに向かうと、初心者にも優しい「オニササの作り方」が書いてある。
この方法に沿って、オニササを作っていってみよう。まずはおにぎりを選ぶところから。
近づいてみると、コンビニのおにぎりよりもサイズは大きい。これで1個80円はお得だ。
おにぎりやササミフライなどの具は、素手では取ってはいけないので……
ビニールを使い、まずおにぎりを手に取る。まず私が選んだのは「のりたま」。
もう一つ、「おかか」のおにぎりも購入。
次に具を選ぶ。ササミフライやコロッケ、ハンバーグ、揚げ豆腐、揚げ餃子など、かなり種類が豊富だ。
定番の「ササミフライ(200円)」を手に取って……
もう一つ、「牛肉コロッケ(130円)」を選ぶ。
そして、調味料コーナーに行き……
お好みで、ソースとマヨネーズをかけて……
レジに向かって、お会計を済ませる。その後、お店の外のベンチで食べることにした。
・いざ実食!
それではさっそく、噂の石垣島B級グルメを実食してみよう。まずは、おかかのおにぎりとササミフライの組み合わせである、スタンダードな『オニササ』から食べてみる。
すでにビニール袋に入れてソースとマヨネーズをかけているので、あとはギュッと潰すだけ。
で、アッという間に完成!
うん、普通に美味い。
いや、本当に「THE B級グルメ」といったシンプルな味わい。っていうか、よくよく冷静に考えてみると石垣島ならではの食材を使っているわけでもなく、ただ単におにぎりと揚げ物にソースやマヨネーズをかけて、同時に食べているだけである。
ぶっちゃけ、内地でもスーパーのお惣菜コーナーで、同じ味わいが再現できるのではないだろうか? と思うが、今までこう言った食べ方の発想が意外に無く、それが名物になったという経緯に感心した次第だ。
そして、1分もしないうちに完食。
次に、のりたまのおにぎりと牛肉コロッケの、通称『オニコロ』を食してみよう。こちらはコロッケなので、力を入れて握ってしまうとコロッケが潰れてしまう可能性がある。なので、力を加減しつつ握ってみる。
こちらも速攻で完成!
そして、ガブリと一口。
このオニコロも単にコロッケをおかずに、ご飯を食べているのと変わらないような気がするが、ギュッとして一口で食べると、また違う感覚で味わうことができる。改めて発想の転換の素晴らしさを噛み締めながら、気がついたら、もう残り一口。
撮影しながら食べていたものの、2個を5分くらいでペロッと平らげてしまった。
ちなみにこのオニササ、1日平均1000個も売れるという化け物級の売上らしい。主に中高生に人気とのことで、おそらく作り方と食べ方の手軽さが食事に時間をかけたくない学生たちのニーズにあっているのだろう。
石垣島に訪れた際は一度食べてみることをオススメしたい。が、この自宅でも簡単に作れそうなメニューが、内地でも定着していないのが不思議でならない。ともあれ、興味がある人はチャレンジしてみてはいかがだろうか?
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 知念商会
住所 沖縄県石垣市登野城1249-18
営業時間 7:00~19:00
定休日 年中無休(正月三ヶ日を除く)
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.