ジャンボ! 今回もリクエストボックスに届いた質問に答えようと思うのだけども、非常に多くの読者様より「ケニアのコーヒー」についての質問が寄せられた。それぞれの質問を非常にシンプルに要約するなら、
「ケニアの人々はコーヒーを日常的に飲みますか?」
「ケニアではどのようにコーヒーを飲まれていますか?」
みたいな感じ。また、それぞれの質問には、「ケニアのコーヒーが世界一」や「ケニアといえばコーヒーですが」や「ケニアやアフリカはコーヒーの大産地」など、ケニアがコーヒーで有名であることも書き添えていてくれていた。
ありがとう、ありがとう。では、答えよう。
ほとんどのケニア人は、コーヒーを飲まない。
もう一度言おう。
ほとんどのケニア人は、コーヒーを飲まない。
その理由について、今回は少し長くなるが書いていこうと思う。
・ほとんどのケニア人がコーヒーを飲まない3つの理由
まず、ほとんどのケニア人がコーヒーを飲まない理由その1は、「高いから」だ。紅茶(茶葉)よりも高い。だから飲めない。よってケニア人は紅茶が好き……みたいな方程式になる。
したがって、ケニアでコーヒーを嗜んでいるのは裕福層のみ。なので、「ほとんどのケニア人は、コーヒーを飲まない」となるわけだ。
もうひとつの理由は「効用」だ。以前、ケニアの紅茶は頭痛をも治すと書いたが、コーヒーでは治らない。朝に紅茶を飲まないと、その日はずっと頭が痛い。なので、コーヒーよりも紅茶なんだ。
3つ目は、危険性だ。ケニアのスポーツマンもまた、コーヒーよりも紅茶(茶葉)が好き。アスリート界隈では「コーヒーは心臓発作を引き起こす」と噂されてて敬遠されている。
そんなこんなで、ほとんどのケニア人は、コーヒーを飲まない。飲むのは紅茶。それもミルクティーだ。
・コーヒー農家のおじさんにも話を聞いてみた
少し歴史を紐解くと、ケニアにコーヒーの文化を持ち込んできたのはイギリス人だ。1893年にケニアを植民地化した彼らは全ての作物を支配。さらにブラジルからコーヒーを輸入しケニアで育て、ケニア=コーヒーとなった。
ケニアの高地には、とても良い土壌があり、コーヒーを育てるのにうってつけ。今回、その近くを通ったので写真を撮りついでに、コーヒー農家のおじさんにいろいろと話を聞いてみた。
おじさん「コーヒーってのは、白い花を咲かせた後、緑の果実ができて、やがてそれは赤くなり……頃合いを見て収穫するんだ。
いま我々ケニアのコーヒー農家が直面している最大の課題は、地球の「気候変動(異常気象)」だね。雨が降らないとコーヒーの木も枯れてしまう。
なのでやっぱり、雨の降らない「干ばつ」もコーヒーの収穫に大きな影響を与えてしまうんだ」
そういえば、マサイ族も「干ばつ」で困っていたなぁ……なんて思いつつ、農家のおじさんの話は続く。
「収穫したコーヒーを工場に売るときも困っている。彼らはそれを低価格で販売しているのか、年々、売値も安くなり、農家が得る収入も減っている。
なんとかがんばってコーヒーを作っているが、正直、肥料などのお金も含む労働と、それを売って得られる金額は釣り合っていないと私は思う。
でも、コーヒーを作ることしかお金を得られないから作り続けなければならないけども……。とても大変な仕事だよ」
ちなみに、このコーヒー農家のおじさんは、「ケニアのコーヒーは、畑がある場所の気候と標高によっても風味が変わるから面白い」とも言っていた。そのあたりも、ケニアのコーヒーが愛される理由なのかも?
なんだか思った以上に長い記事になっちゃったので、このへんにしておくね。クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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