2023年4月6日の13時半ごろに満月の瞬間がやってきます。ネイティブアメリカンによる4月の満月の呼称は「ピンクムーン」。いかにも映えそうな呼称ゆえか、年間の満月の中で最も高い人気をもつものの内の1つです。

今月は満ちる瞬間が日中なので、その瞬間の観測は困難かと思われます。そのため5日と6日の夜に、ほぼ満月の状態を楽しむのが良いでしょう。名前の由来や天候など、詳しくお伝えしていきます。

・ピンクムーン

北米最古の暦系メディアThe Old Farmer’s Almanacによると、4月の満月が「ピンクムーン」と名付けられた理由は野草に関連しているもよう。

ちょうど今の時期に、北米東部ではシバザクラなどのピンク色が印象的な植物が開花時期を迎えるのだとか。ピンクの花が咲くから「ピンクムーン」ということです。

部族によっては別の呼称を用いているところもあるもよう。例えば、暖かくなって氷が割れていくことに注目したアルゴンキン族のBreaking Ice Moonや、カエルが冬眠から目覚めて出てくることに注目したクリー族のFrog Moonなど。ピンクな気分ではない方は、これ等の呼称を主張しても良いかと思います。


・花粉

今月の満月も、花粉との共演が期待できます。連日のように報じられていますが、今月もスギとヒノキの花粉が大量に舞っています。雲のないよく晴れた日でも、どことなく空気が霞んでいるように見えるのはそのせい。

そんな日に強い光を発する光源を見ると、その周辺に虹色の環が発生していることがあります。これが花粉光環です。日中だと太陽の周辺でよく観測されますが、月でも同じ現象が発生します。

花粉との共演で虹色の光環をまとった「ピンクムーン」は、きっと普段と一味違う趣深さがあることでしょう。花粉症の方は抗アレルギー薬と共にお月見を楽しんでみてください。



・天気は

最後に気になるのが国内各地の天気。気象庁の5日17時発表の天気予報によると、5日に晴れの予報が出ているのは北海道の十勝地方。あとは宮古島や八重山、そして父島などの離島となっています。


今回は6日の夜も月齢的にはおススメということで、そちらの天気も見てみましょう。同じく気象庁の5日17時発表の天気予報によると、全国的に天気はさらに悪化するもよう。


どうやら本土でのお月見は難しそうです。ということで、晴れの予報が出ている離島在住の皆さんは、是非「ピンクムーン」を楽しんでください。本土の皆さんは……まあ、雨が降っている間は花粉症の症状が軽くなります。ひと時の快適な呼吸を楽しんでみてはいかがでしょう。


参考リンク:国立天文台気象庁The Old Farmer’s Almanac
執筆&写真:江川資具
ScreeenShots:気象庁