いま、私(サンジュン)はワナワナと震える手でキーボードを打っている。怒りの源は「ハッピーターンの公式ライバル」として華々しく登場した『ハッピーターン スパイス』──。期待値が高かったことはあるにせよ「今年1番ガッカリした」と申し上げていいだろう。

ネット上では絶賛の声が多く、近所のコンビニでは売り切れている店舗もあるなど、早くも品薄状態の『ハッピーターン スパイス』だが “ガチレビュー” が私の信条である。ズバリ予言しておくと、1年後に『ハッピーターン スパイス』はこの世から姿を消しているハズだ。

・ライバルとして登場

1976年に誕生した「ハッピーターン」に、47年の時を経て “公式ライバル” として登場した『ハッピーターン スパイス』。まずは亀田製菓による『ハッピーターン スパイス』の公式発表をご覧いただきたい。


「ハッピーターンスパイスはハッピーターンに対抗できる全く新しいおいしさの開発のため、約20名もの技術担当者が携わり、イチから試行錯誤を繰り返しました。

お客様に親しまれているスパイス選びやバランスのよい組み合わせなど、幾度にも渡る調合を行い、やみつき感を底上げするような8種類のスパイスの独自配合が完成しました。そのおいしさは公式ライバルと断言できるほどの唯一無二のやみつきパウダーに仕上がっています」


……なるほど。ポイントは「全く新しいおいしさ」と「唯一無二のやみつきパウダー」というところ。古(いにしえ)から続く日本菓子史の中でも最高傑作(サンジュン調べ)として名高い「ハッピーターン」の公式ライバルになるためには、涙ぐましい努力が必要不可欠だ。

・相当スゴイのかと思いきや

「全く新しいおいしさ」と「唯一無二のやみつきパウダー」、そして “公式ライバル” と言うからには『ハッピーターン スパイス』はハッピーターンとは違った感動を与えてくれるに違いない。この世で美味しい食べ物TOP3は「牡蠣・レバ刺し・ハッピーターン」と確信している私は『ハッピーターン スパイス』の登場を待ち詫びていた。


……のだが。


結論としては冒頭でもお伝えした通り「今年1番のガッカリ」と言わざるを得ない。その理由は「ハッピーターン」と『ハッピーターン スパイス』を食べ比べれば一目瞭然で、100人中98人の人にはご賛同いただけると確信している。

では『ハッピーターン スパイス』の何がダメダメだったのか? 手短に申し上げると「ハッピーターンとハッピーターンスパイスがほぼ同じ味だったから」である! ハッキリ言ってライバルでも何でもなく「ハッピーターン」と『ハッピーターン スパイス』は単なる兄弟であった。

・ほぼ同じ味だった

要するに『ハッピーターン スパイス』は “ほぼハッピーターン味” なので、もちろんウマいに決まってる。それはそう、だってハッピーターンの味なのだから。基本的にはいつもの甘じょっぱいハッピーターンの味を想像すれば、ほぼほぼ間違いない。

違いはコショウなのか何なのか、わずかに香辛料を感じる程度で、住所で言えば「東京都新宿区新宿1丁目1番地」までは全く一緒! ほんのちょびっと “号” が違うだけ……いや、何なら部屋の番号が違う程度の差しか感じなかった。



・発表と違くないか?

思い出して欲しい。『ハッピーターン スパイス』の公式発表を。「全く新しいおいしさ」であり「唯一無二のやみつきパウダー」ではなかったのか? 完成し切っている「ハッピーパウダー」に香辛料を加えることが「全く新しいおいしさ」で「唯一無二のやみつきパウダー」なのだろうか?

これが「ハッピーターンスパイスはハッピーターンの弟です!」的な売り出し方なら理解できる。キャッチコピーも味も実に適切だ。……が「公式ライバル」で「全く新しいおいしさ」で「唯一無二のやみつきパウダー」と売り出していい商品だとは、私自身は少しも思えなかった。

・ハッピーターンをナメるな

こう感じてしまうのは私の “ハッピーターン愛” が強すぎるせいなのだろうか? 念のため事務所にいたメンバーに「ハッピーターン」と『ハッピーターン スパイス』を食べ比べてもらったところ、


あんま変わんないスね」……とのことであった。ほらな!


しつこいようだが、私は「ハッピーターン」を愛している。この世に “ハッピーターン死” という死に方があるなら、その方法でこの世を去りたい。そのハッピーターンの公式ライバルとして登場した割に『ハッピーターン スパイス』はあまりにもお粗末! 今年1番ガッカリした!!

また『ハッピーターン スパイス』を「おいしい!」とか「スパイスすごい!!」と書くのは簡単である。……が、果たしてそれが本当にハッピーターンのためになるのだろうか? 再三になるが、食べ比べれば一目瞭然。私が『ハッピーターン スパイス』の味ではなく、誠実さのかけらもない “売り出し方” に鬼ギレしていると念を押しておく。

最後に製造元の亀田製菓に一言申し上げたい。亀田製菓さん、もしかしたらハッピーターンを甘く見てませんか? この程度でライバルになれると本気で思ってますか? 悟空のライバルならベジータを連れて来てくださいよ。ヤジロベーを連れて来られても納得できません。なんならこの件について、とことんインタビューお願いします。

参考リンク:ハッピーターン公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.