2021年秋、衝撃のニュースが耳に飛び込んできた。

なんと、筆者の推しである『刀剣乱舞ONLINE』に登場するキャラクター・「鶴丸国永」のドールが販売されるのだという。興味本位で販売店のDOLKが公開している特設サイトを覗いてみたところ……

つ、鶴丸が3次元にいる~~~!!! 写真を見ただけでも、特徴的なシルエットや細かい装飾までもが完璧に立体で再現されているのが分かる。

これまでドールの世界には一切触れてこなかった筆者だが、そのクオリティの高さに「とんでもない物が世に放たれてしまった……」と直感した。

ぬいぐるみやフィギュアとはまた違う本格的な人形ということもあって、お値段は税込24万8380円とひな人形と同等のレベル。

さすがにためらったのだが、ドール有識者の友人達いわく「めちゃくちゃ高クオリティ」「ドールは入手機会が限られてる物も多いから、気になるならお迎えしておかないと後悔する」「ずっと推しと生活できるの、ヤバくない?」とのこと。

ぐ、ぐお~~~!! 全力で背中押してくるじゃん!? そんなこと……そんなこと言われたら、大枚はたいてでもお迎えしたくなっちゃうでしょうが……!!

というわけで、震える指で購入ボタンをクリック。そして先日、ついにドールの鶴丸がやってきた!!


・到着

でっっっっっっっっっっか!? 宅配業者さんから受け取った段ボールに入っていたのは、家具でも入っているのかと錯覚しそうなほど巨大な箱。


ドール本体の全長が65cmというだけあって箱もかなり大きいとは聞いていたけれど、大きすぎて床にしか置けないとは思わなかった。緊張しながらそっと蓋を開けてみると……


まず出てきたのは、取り扱い説明書と購入証明書。購入証明書はアフターサービスを受ける際に必要なようだ。


・苦手な方はご注意を

そしてここで注意! 以下には服を着ていないドールの画像、目・頭などのパーツを外している画像も掲載している。苦手な方はこのあたりで引き返してくれ!



さて、2段目に入っていたのは、衣装や小さなアクセサリー類。いつもゲームで見ているイラストとまったく同じ衣装を目の前にして、いやが上にも興奮が高まっていく。そして、さらにもう1度スポンジをめくると……


!!


いた~~~~~!!!! この段に入っているのは、ドール本体・甲冑や下駄などの大きめの装飾品。説明書を見てみると、セット用品はこれで全部みたいだ。確認も終わったことだし、さっそく衣装を着せていこう!


・着付け開始

セット用品以外に用意する必要があるものは、こちらのSカンフックという道具。鶴丸ドールを購入した時についてきたポイントのおかげで、実質無料で購入することができた。


まずはドールのヘッドパーツを取り外す。説明書によると後頭部の蓋を開けて、中に入っているSカンを引っ張って90度回し、下に空いている穴に落とせばOKらしい。


指示に従ってフックを引っかけ、ぐっと引っ張ってみると……


いやびくともしないんですが!???!?


Sカンの下には丈夫なゴムが引っかかっているのだが、このゴムにめちゃくちゃテンションがかかっているせいでちょっと力を入れたくらいでは全く上に上がってこない。

片手で体をしっかり押さえておかないと、ドールが持ち上がってしまいそうになるレベル。絶対にやらないけれど、このままドールを持ち運ぶこともできてしまいそうだ。

ドールって「なんか優雅な趣味」っていうイメージだったけど、こんなにパワーが必要な作業もあったなんて……! やっぱり何事もやってみなくちゃ分からないな、と痛感した一瞬だった。


なんとかSカンを攻略し、次は顔にアイを入れていく。


アイは最初からドール本体に取り付けられているわけではなく、自分ではめ込む必要があるらしい。それほど難しい工程はないので、自分が気に入った他のアイと簡単に交換することもできるそうだ。


まずはアイと同じ場所に入っていた「スカルピー」という粘土をよくこねて……


細長く成形したら、アイの周りにくるっと巻き付ける。余ったものは平たく伸ばして裏面に張り付ける。ヘッドの裏側からアイを押し当て、後ろから指でスカルピーをぎゅっと押して固定すれば はめ込み完了だ。


い、命宿った……!


アイが入る前と後では、こんなに印象が変わるんだな。素の状態だとちょっと怖いかも……と思ったけど、一気に親しみが持てるようになった。


次はハンドパーツを外して、手甲をつけていくとのこと。……ん? パーツを外すってことは……


パワー勝負再び~~~!!! こちらもヘッドと同じようにSカンで繋がっているので、ぐっと引っぱってひねることで取り外しを行うようだ。一歩間違えたら壊してしまいそうで大変心臓に悪い……。


手首と手のひらに手甲をつけたら、ハンドパーツを元の位置に戻す。


あとは足袋、襦袢、袴などを順番に着付けしていく。人間が和服を着る時には紐を使ったり帯の結び方を覚えたりしなければいけないけれど、鶴丸ドールの服はスナップをパチパチとめていくだけで簡単に固定できた。

作業をしていると当然布の上から体に触れることもあるわけだが、これが思った以上に推しがそこに存在している感覚を味わえてヤバい。

布の下にしっかりした固さがあるだけで、こんなにリアルさを感じるなんて……間違いなくフィギュアやぬいぐるみにはない存在感だ。


ひととおり装備を付け終わったら、いよいよウィッグをかぶせていく。


うおおお……!! アイを入れた時と同じくらい、一気に人間らしさが増してきた!!


あとは下駄をはかせたり、腰の甲冑を装備させて……


特徴的なふわふわの羽織を着せたら……



鶴丸生まれた~~~!!!!



・親バカまっしぐら

やばいやばい、めっちゃかわいい……! 

支払いのために口座からお金がごっそり消えていた時にはさすがに「おぉ……」と多少くるものがあったけれど、実際にドールと対面してみるとそんな後悔は全部吹っ飛んだ。


それぞれのパーツの可動域はかなり広く、様々なポーズを取らせることができる。

「こんな推しが見たい!」という願望が目の前で叶う贅沢さよ……カメラのシャッターを切る手が止まらない。


Twitterなどにアップされた他のドール鶴丸の写真を見て、個体差を楽しむのも面白い。

1つ1つ手作業で行われているメイク、アイの入れ方やウィッグの付け方など様々な要因が組み合わさった結果、同じドール鶴丸なのに纏(まと)っている雰囲気がそれぞれ違うように見える。


こちらは友人のドール鶴丸の写真なのだが……


並べてみると、友人の鶴丸はかっこいい寄り、筆者の鶴丸はかわいい寄りの顔をしているように見える。

筆者のドール鶴丸にセットしたものとは違うアイを使っているとのことだが、それにしてもここまではっきりと個体差があるものなのかと驚いた。


記事執筆時点ではまだ部屋に置いてから数日しか経っていないのだが、先述した個体差も相まってすでに「えっ? うちの子かわいすぎでは?」と親バカが発動してしまっている。

まさかこんなにのめり込んでしまうとは思わなかった……ドールって服を着替えさせたり、似合う家具を揃えてあげたりもできるみたいだけど、そっちにもいつか手を出してしまいそう……! 

鶴丸のためにも仕事頑張らなきゃな……新しい世界を教えてくれたドール鶴丸を、これからたくさん愛でていきたい所存である。

参考リンク:DOLKPRTIMES
執筆:うどん粉
Photo:PRTIMES、RocketNews24.
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▼Sカンフックは太めの紐でも代用できるみたいだけど、初心者は間違いなく購入しておいた方がいいと思った。Sカンが強すぎて縄くらいの紐じゃないと負けそう

▼俯瞰(ふかん)で撮ったらかっこいい雰囲気が出るかな? と思ったけどやっぱりかわいかった

▼首飾りが人のアクセサリーと同じように梱包されていてテンションが上がった

▼着付けで最も苦戦した足の防具。思っていた以上にピチピチで、ファスナーが全く上がらなかった。まさかヘッドや手を外す作業より手こずるとは……

▼ゲーム内のイラストではなかなか見られない甲冑の裏面もチェックできるのが嬉しい

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