力を合わせて取り組んだ……運動会! 運・動・会!! 卒業式の呼びかけってまだやってる? そんなことすら分からない私(中澤)は高校卒業が平成13年だった40歳だ。卒業式って部外者にとってはマジで知られざる世界だよね。

ちなみに私は男子校だったので卒業式に甘い思い出とかは一切ない。式の後にレストランで打ち上げしてたら、隣の席も卒業式終わりの他校の女子でドキドキしたくらいだ。中学に至っては友達がほとんどいなかったので記憶にない。

これでは記事が書けないので、ロケットニュース24編集部のメンバーに卒業式の思い出を聞いてみた。

・何もなかった

佐藤英典「卒業式はお礼参りの噂が流れたくらいだな。結局何も起きなかったんだけど。クラスでも底辺だったから告白とかがあったかどうかは知らん」


あひるねこ「特別記憶に残ることはなかったです。絞りだすなら、同学年の男子のボタンを妹がもらってました。卒業式から帰ったらなぜかあんまり話したことない奴のボタンが家にあって、その状況がちょっと面白かったくらいです。ちなみに、『写ルンです』全盛期だったので、しばらくしたら、そいつの写真も家に現れました


原田たかし「いや~、ないっすね。ラグビー部だったので、卒業式の後、グラウンドに集まって胴上げされたくらいです。その後は同じクラスに同じ地元の子がいて普通に帰りました。

あ、そう言えば、めちゃくちゃ怖い先生がいたんですが、卒業式にその先生のケツを触っても怒られませんでした。今は校長先生になったらしいです」


和才雄一郎「小学校の卒業式でクラスごとに歌を歌うのが慣例で、大体J-popから選ばれるんだけど、隣のクラスが尾崎豊の『卒業』だったことかな。小学生が「窓ガラス壊して回った」と合唱する様子は衝撃だった」


砂子間正貫「桃鉄をしましたね。いつものメンバー5人くらいが豊島くんの家に集まっていつものように桃鉄をしました。豊島くんだけ第二ボタンがなくなっていたことを覚えています。「すげえ!」って思ったけど別世界すぎて言えませんでした。他のメンバーも「ふ~ん」って感じだったと思う。

当時は、連絡手段が家電話しかなかったので、そのメンバーの中で2人が女の子の家に電話したんですが、「いない」と言われてなんかへこみました。フラれることさえできないのかと。大体モテるのはサッカー部で野球部は全然モテなかった」


GO羽鳥「リア充はイチャついてたが、俺はオタクの友達と速攻で帰った。そしたら、家の前の中目黒の駅が完全封鎖されていた。電気も消えていて怒号が飛び交っている。実はその日は、地下鉄サリン事件が起こった日

家の屋上から駅の中を見たら、防護服を着た人が消毒みたいなことをやっていて電車はびちゃびちゃ。まだ、サリンとかは分かっておらず、「何かが起きた」ということだけが分かってる感じだった事件直後。まさに世紀末を感じた。早く帰って良かったと思った」

・お前ら……

ちょっとビックリするくらいキラキラしたエピソードがないではないか。ニュースとかドラマとか、データで残っている平成はもっとキラキラしているのに我々の周りだけ時空が歪んでいるかのようである

一方で、わずかながら平成のキラキラを感じるエピソードを話してくれたのが御花畑マリコ記者と姉妹サイト「POUCH」の記者である あんすず だ。


御花畑マリコ「卒業式と言えば翔平先輩ですね。翔平先輩は凄かったです。なにせ、地元に販売店のなかったAPEを着てましたから。ネット通販なんてほぼない時代の長崎ですからね? APE着てることが噂になってました。

卒業式の時も、ボタンが一瞬でなくなり、学ランまで剥ぎ取られてTシャツで帰ってました。そのTシャツ姿がまた眩しくてザワついてましたね。翔平先輩バリかっこいいばい……と」


あんすず「卒業式の前日に告白に協力して欲しいと幼馴染の男子からメールで相談されました。相手は同じく幼馴染の女友達。それで卒業式終わりに学年全体で行った謝恩会で、女友達をバルコニーに呼び出す役をやりました。玉砕して、両方から報告を受けました。

その男子は卒業後地元を離れたんですね。私も地元を離れたのもあって連絡とかは一切取ってなかったんですけど、5年後くらいに、渋谷のスクランブル交差点を歩いてた時、緑色のありえないスーツで女の子をナンパしてる人がいて。東京って凄いなと思ってたらそいつでした。東京って凄いですね

──さすが女子。ネット購入が今ほど当たり前ではなかったから、地元に販売店がない有名ブランドを着てたら噂になるというのは私の田舎である大阪でも非常によくあった。ただ、キモイポジションだった場合、それすらもディスに繋がってしまうのが悲しいところではあるが。

さらに、あんすずの話はもはや当事者の1人。ついに、告白の中継経験談が聞けた。その後の彼のデビューっぷりも味わい深い。織田裕二で脳内再生余裕である

とは言え、やっぱり主人公不在な感じは否めない。私は男子校出身だから、そういうキラキラを羨ましいと思っていたが、共学でも卒業式ってこんなもんだったんだな。思っていたよりみんな何もない。だから、ロケットニュース24は男子校みたいになっているのかもしれないが。


・1人だけいた

と思いきや、1人だけいた。そのレアキャラとはあろうことか我々ロケットニュース24編集部を率いるあの男……


そう、Yoshioである

Yoshio「卒業式の後、先生も含めてクラスみんなで石神井公園に行くのが通例になってて、そこで写真とか撮ったりするんだよ。その時に、第2ボタンを渡した。

でも、そんな大したことじゃないよ。もともと仲良かったから、好きとかじゃなくて、仲良い証みたいなイメージ。思うに、第2ボタンも本命と義理があると思うんだよね。チョコみたいな感じでさ」

殺すぞ


語ってんじゃねえダボハゼが。これだからサッカー部はよお。こちとら仲良い女友達すらいなかったわ。っていうか、女友達がいる時点で大したことなんだわ。お供え物したいレベルなんだわ。それCHAGE and ASKA的に言うと、近づく程見えないヤツですからー!


追い駆けて追い駆けてもつかめないものばかりさ。


男子校に幸あれ。


<完>


執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.