結論から言うと、今の集合写真では「〇」がないらしい。伏字ではないぞ。卒業アルバムの集合写真とかで休んだ時に我々世代が入れられていたあの〇である。卒業アルバムを見ると、一学年に1人2人は絶対いたよな。

やたら目立つ上にイジられるという、あの悪しき文化が無くなったのは個人的には喜ばしいことである。でも、それじゃあ休んだ人ってどうなるの

・はめ込む

これももったいぶらずに言ってしまうと、休んだ子を後日撮り直して集合写真に合成しているそうだ。なんなら、合成するために、あらかじめ休んだ子を入れるスペースを空けて集合写真を撮ったりするらしい。

コツとしては下半身が写らない場所を空けること。これは下半身が見えるとはめ込みの違和感が増すからで、背の高さは先生の身長を物差しがわりにして調節するのだそうだ。すなわち、完全にそこにいたことにしてしまうのである

・他にも合成するケースが

確かにその方法なら全ての問題は解決だ。休んだ子はいなかった。もうイジられる子供はいないんだ! ビバ・テクノロジー!!

そんな最新の集合写真事情を教えてくれたのは、旭川で学校関係の集合写真を生業にしているノブさん。言わば、集合写真のプロである。しかし、ノブさんによると、合成をするケースはそれだけではないのだそうな


ノブさん「1枚につき、2連続でシャッターを切るのが基本なんですけど、これは例えば、1枚目で目をつぶっちゃった子がいても、2枚目はちゃんと開いてたりするからです。でも、それでどうにもならない場合もあって……」


──と言うと


ノブさん「例えば、別の子が横向いちゃってたりとか。2枚ともアウトな場合も、合成します。良いとこどりで完璧な集合写真を作ります」


──とのこと

ちなみに、私は小学校の時にシャッターのタイミングで動いてしまい、卒アルの集合写真では私だけ顔がブレている。当時はどうでも良かったけど、後から恥ずかしくなるんだよなああいうの。

その経験から言うと、黒歴史を消せるようになった今は気の利いた時代と言えるだろう。現実には存在しなかった瞬間が今の卒アルには結構あるのかもしれない。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼旭川にライブに行った時に写真を撮ってくれたノブさん