福岡県太宰府市の名物といえば「太宰府天満宮」をはじめ、令和ゆかりの地である「坂本八幡宮」、鬼滅の刃の聖地「竈門(かまど)神社」などあるが、やはり梅ヶ枝餅は外せない。なにしろ天満宮の門前で売られているのは周知の通り。参拝するならつい食べたくなるものだからだ。

餅の生地で小豆餡を包んで焼き上げた梅ヶ枝餅はシンプルながら激ウマ。まぁ、やろうと思えば自作もできるメニューなのだが、あの場所でお店のものを食べるからこそ美味しいのであって……と思っていたら今の時代どうやら全国どこでもプロの味が味わえるらしい。

・歴史ある梅ヶ枝餅

こういうのも先日、スーパーの冷凍食品コーナーで普通に売られていた。5個入りで650円だから1個130円ジャスト。現地だと1個あたり100円くらいだから(今はもう少し値上がりしているかも)、これでウマければ冷凍はかなりのコスパの良さだと言える。ただし……!


梅ヶ枝餅を何度も食べてきた福岡県出身の身からすると、実際に味を確かめるまでは “合格” を与えることはできない。外の皮がカリッとしつつ、餡の素朴な甘みも保ててこそ梅ヶ枝餅なのだ。

今回購入したのは、やす武といって参道に本店を構える歴史あるお店のもの。なお、作り方はレンチン、あるいはレンチンしてからオーブントースターで焼く2通りがあって、後者の方が焼き立ての風味を楽しめるらしい。

・レンチンでどこまでウマい?

今の冷凍技術をもってすれば、まるで現地で食べるような味も不可能じゃないはず。期待に胸を膨らませつつ、まずはレンチンのみで食べてみた。凍っているお餅をフィルム個包装のまま表裏30秒ずつ(600W)温めれば出来上がりと簡単だ。

そしてそのお味は──


正直、現地と壁があると言わざるを得ない。厳しいようだが、レンチンすることにより全体がフニャッとなってしまった。最大限に梅ヶ枝餅のポテンシャルを引き出そうとしているのは感じ取れるも、外のカリッがないのは喝っ……!

とはいえ、レンチンだけで作ったらこうなってしまうのも仕方ない。だからこそ、オーブントースターを使った作り方も書いてあるのだろう。餡と皮の相性はよかったし、ここからが本番だ。


・オーブントースターを使用

ということで、レンチンしたのちオーブントースターで焼いてみた。説明書によると「お餅が少しふっくらするまで」と書いてあったから、ちょいちょい様子を見ながら焼いたのだが……

こんな感じだろうか? ちょっとふっくらしすぎたような気もしたが、わりとあっという間にこうなったから時間はシビアなのかもしれない。んで、オーブントースターを使ったことで梅ヶ枝餅はどうなったかというと……

皮は現地に近く、パリッとした感じになってくれた……のだが、逆にレンチンのみの段階で完璧に近かったトロッとした餡子が硬くなってしまった。うむむ、なかなかどうして難しい。

しかしながら、現地の味の片鱗は感じ取れたため、焼き上がりの判断を的確にできていたら……という思いもある。何度も作っていたら、家で現地の味を味わうのも不可能じゃないだろう。

ともかく、値段が安いし冷凍食品スイーツの中ではかなりウマいタイプだった梅ヶ枝餅。見かける機会はそう多くないかもだが、もし手に入るようなら買ってよし。その際、気持ち早めにオーブントースターから出してあげるといいかも!

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.