2019年4月26日、マーベルの最新映画作品『アベンジャーズ / エンドゲーム』の放映が始まった。この作品を心待ちにしていた人も多いはず。私(佐藤)もその1人。前作の『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の放映から、続きが気になって気になって仕方がなく、始まったらすぐに観に行くと固い決意をして、当日朝8時の放映のチケットを取った次第だ。

さて、ゴールデンウィークに観に行く予定の人もいると思うのだが、これまで1作もまともに関連映画を観ていない人は、最初にコレを見るべきではない。可能なら11年にわたって放映された全作を。時間がないという人は、せめて以下に挙げる作品を見てから、劇場に足を運んで欲しい。

・ひとつの世界

マーベル映画作品は、マーベル・コミックに登場するヒーローを題材にして制作された映画だ。ヒーローたちは登場作品が違っていても「マーベル・シネマティック・ユニバース」と呼ばれる架空の世界を共有している。したがって、作品と作品の間には、何らかの因果関係があり、登場キャラも作品を超えてつながりを持っている。


・SFアクションだけではない

マーベル作品を観たことがない人は、もしかしたら「マーベル = ド派手なSFアクション作品」と考えているかもしれない。間違いではないのだが、それだけではないからこそ世界中で支持されていると言っておきたい。

その時々の最新映像技術を駆使した作品であるが、人と人のつながりが織りなすドラマもまた、観る者を魅了しているのも事実だ。登場キャラ同士の確執や各々の置かれた立場によって生じる葛藤。時には善悪では割り切れない感情が複雑に絡み合う様子は、単純なSFアクションではなく、人間ドラマといっても良い。

それぞれのキャラが織りなすドラマを理解するには、すべての作品を観ることがもっとも分かりやすいのだが……。10日間の休みですべて観るのは難しいというマーベル初心者は、最低でも次に挙げる5作品を観ることをおすすめする。


・アベンジャーズ(2012年)

アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホーク・アイの6人が最初に集結する作品。バラバラに活躍していたヒーローが「アベンジャーズ」の名の元に集結し、侵略者「チタウリ」に立ち向かう。

「日本よ、これが映画だ」という鮮烈なキャッチコピーが話題になったが、今になって思えば、あの言葉は正しかったと思う。


・キャプテン・アメリカ / ウィンターソルジャー(2014年)

アベンジャーズをもっとも存在感の強いキャラはアイアンマンではないだろうか。しかしアベンジャーズを象徴するのはキャプテン・アメリカで、全体の物語の進行を司っているのも、キャプテン・アメリカだ。とくに今作は、後の物語に多大なる影響を与える1作品といっても過言ではないだろう。


・アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン(2015年)

アイアンマン(トニー・スターク)の発案に端を発したウルトロン計画。平和維持の目的で作られた人工知能ウルトロンは、人類を抹消しようとし始め、アベンジャーズと激戦を繰り広げることになる。各々が正しいと思うことを選択していくなかで、メンバー間の亀裂を決定付ける大問題が勃発する。


・シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ(2016年)

先に挙げた「エイジ・オブ・ウルトロン」での亀裂は、修復不能の状態となり、タイトルの通りにシビル・ウォー(内紛)が起きてしまう。この作品でスパイダーマン・ブラックパンサーが初めて登場し、アントマンがアベンジャーズと遭遇。ヒーロー対ヒーローのバトルシーンは圧巻。


・アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー(2018年)

エンドゲームが「アベンジャーズ」3作目の後編とするならば、この作品は前編に当たる。したがって、何を書いてもネタバレになってしまうので、詳しく紹介することはできない。


・できればこのほかにも

以上、時間がないという人向けに、最低限観て欲しい5作品を紹介した。せめて、まだ1作しか公開されていない『ブラックパンサー』『ドクター・ストレンジ』『スパイダーマン』は観て欲しいとは思う。可能なら、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』も観て欲しい。どうせならやはり全部観てから、エンドゲームへと進んで欲しいのだが……。


とにかく、マーベル初心者はいきなりエンドゲームを観ない方がいい。もちろん今作だけでもダイナミックなアクション作品としては楽しめるが、何も知らずに行くと「この人、誰?」「なんでこうなったの?」「ほかの人が涙を堪えているのはなんで?」となる可能性が高い。十分に予習してから観た方が『アベンジャーズ / エンドゲーム』は楽しめる。

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24