北海道の八雲町という町をご存知だろうか? 北海道の町の中では無名な部類かと思われるのだが、ここがとても良い町なのである。何が良いかって、北海道らしい大自然の景色がありつつも寂れていないのだ。駅前にもちゃんと現代感がある。新幹線の駅もできるし、ひょっとしたらこれから来るかもしれない。
なぜ、私(中澤)がそんなことを知っているかと言うと、この町にあるレストラン「ハーベスター八雲」に行ったからだ。なんとこの場所は、ハーブ鶏発祥の地。というわけで、フライドチキンを食べてみた。
・広大な丘に建つレストラン
JR北海道函館本線八雲駅でタクシーを拾って、走ること10分ほど。駅前から徐々に町感が薄れ、タクシーは広大な丘陵地帯へと入っていく。その景色に3年前に行ったイギリスの景色を思い出していると……
丘の上にレストランが。
「ハーベスター八雲」は、ケンタッキーの試験農場だったことでも知られている場所。何を隠そう、ハーブ鶏発祥の地だというのだからその関係も深い。
・カーネル直伝
現運営会社 ㈱デルソーレの代表取締役CEO大河原毅(おおかわらたけし)さんは、日本ケンタッキー1号店の店長から日本ケンタッキー株式会社の社長も務めた人物。店内には、そんな大河原氏とハーベスター八雲の歩みが書かれたパネルが飾られているが、そこにはカーネル来日時に隣で技を教わる大河原氏の写真も。
パネルによると、このレストランの着想もカーネルに影響を受けたもののようなので、味以上に生き方や哲学まで受け継いだ店と言えるのではないだろうか。
・メニュー
そんなハーベスター八雲はイタリアンレストラン。そのため、ピザやパスタなどのメニューも普通に揃っているのだが……
ここはフライドチキン(1ピース税込み295円)だろう。
注文は、最初にお盆を取って長いカウンターを進むうどん屋みたいな形式なのだが、イタリアンメニューが提示されているところを越えるとショーケースが設置されている。そのショーケースの中には、フライドチキンやサラダなどが並んでいた。丸亀製麺で言うトッピングコーナーみたいになっている。
・チキンは2種類
ふむふむ、「ハーベスターセット(税込み715円)」というセットメニューもあるのか。フライドチキン2本にポテトか。飲み物はドリンクバー(税込み410円)の注文が必要なようだ。ん? チキンがもう1種類あるな。「エスニックチキン(税込み420円)」とは……? 簡単に来られる場所でもないので全部注文してみたところ……
デカイ!
エスニックチキンが皿みたいなデカさだ。さすが420円は伊達じゃない。これだけでもチキン好き歓喜の逸品と言えるのではないだろうか。それにしても……
フライドチキンの既視感がヤバイ。
食べてみても、ハーブとスパイスがきいた味に既視感を感じる。ちなみに、エスニックチキンは甘辛い。個人的には、甘めのチリソースみたいな味に感じたが、エスニックだからひょっとしたらナンプラーかもしれない。
・ここでしか味わえない良さ
両方に言えるのはジューシーな鶏がカリッと揚げられていること。肉が肉汁で弾けるかのように柔らかい。カリッとした食感との味のコントラストはさすが直伝。
それにつけても……
この景色である。
窓の外に広がるのは広大な畑。これだけでも日本離れしたロケーションと言えるが、丘の上にあるため果ての海まで見通せる。北海道の有名絶景スポットに比べると知名度は低いが、レストランの景色としては最強だ。
・激ウマ
なお、前述のパネルによると、ハーベスター八雲は八雲町で鶏を育てるところから始まったという。それも、カーネルがレストランの裏手にある畑で鶏と野菜を育てていたことに習ったもので、その理念から、現在も八雲町の素材が使われているのだとか。
つまりは、この景色がハーベスター八雲の味そのものと言える。八雲町だからこそできた、ここでしか味わえない味。激ウマと言って差し支えないだろう。
・今回紹介した店舗の情報
店名 ハーベスター八雲
住所 北海道二海郡八雲町浜松365
営業時間 平日11:00~17:00 / 土・日・祝11:00~19:00(ラストオーダー閉店30分前)※季節により変更有り
定休日 12~2月の月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼虹が半円見えるくらい開けてる
すんごい近くから虹出てる! こんなことあるんや! pic.twitter.com/wreOIYOr9T
— 中澤星児(ロケットニュース24) (@sorekara_jona) November 18, 2022
▼一応、最寄り駅は「山越」で歩いていけるけど……
▼電車の本数は全然ないので行きは八雲駅からの方が無難