数ある福袋の中でも「いいゴミ」「笑えるゴミ」として知られるヴィレッジヴァンガードの福袋。そういう意味で2023年のヴィレヴァン福袋『レッド(3600円)』は “王道のゴミ” と申し上げていいだろう。

中身に関していえば「これが使える!」とか「これは良くない?」なんてものは1つも入っていなかったが、それこそがヴィレヴァン福袋。ヴィレヴァン大好きっ子のみんな……待たせたな? 救いのないゴミの集合体に打ち震えるがいい──。

・最後の継承者

その昔、福袋にはある種の “いかがわしさ” があった。かつては多くの人が「売れ残りしか入ってないんでしょ?」と思っていたハズで、それは半分正解だったのだろう。

ところがどっこい、近年は福袋の中身の “見える化” が急速に進み、むしろ怪しい福袋の方が少数派となった。結果的に「ドキドキワクワク」も失われてしまったのが、ここ数年の福袋事情と言っていいハズだ。

そんな中、怪しい福袋を販売しても怒られない稀有な存在が、俺たちのヴィレッジヴァンガード。毎年毎年、何度も何度も「ゴミ!」と言ってもシレッとゴミを詰め込んで来る肝の太さは流石としか言いようがない。古き良き福袋文化の最後の継承者、それがヴィレヴァン福袋なのである。

で、冒頭でもお伝えした通り『ヴィレヴァン福袋 レッド』は、まあゴミ。人によっては「いいじゃん!」というアイテムも紛れているかもしれないが、私(P.K.サンジュン)はどれ1つとして「持って帰ろうかな?」というものが見当たらなかった。

・『ヴィレヴァン福袋 レッド(3600円)』の中身

・ まねき猫のクッション
・ カラオケマイク
・ トークサイコロ
・ 箸
・ スポンジ

※ 福袋なので中身が違う場合があります。

・ゴミのパレード

……な? ゴミだろ? まずはそれなりに大きい「まねき猫のクッション」だが、存在感だけは妙にある。逆にその隠し切れない存在感ゆえ「普通にクッションとしては使いづらい」としか言いようが無い。レッド福袋における “出オチ要員” であった。

また「ブラック福袋」にも入っていたカラオケマイクは、なかなか刺さる人がいないのではなかろうか? というか、マジで売れ残りやろ? こちらも迷うことなくゴミと判定させていただきたい。

唯一、光があるとすれば「トークサイコロ」である。シチュエーションによっては輝く可能性は高く、もしかしたら「自分では買わないけどあったら嬉しい」という方が少なくないかもしれない。でもまあ、基本はゴミである。

また「箸」と「スポンジ」はヴィレヴァン福袋にありがちなやり口。どちらも実用的なアイテムだが、それが逆に「ゴミばっかだけど一応使えるものも入れておいたから怒らないでね!」というメッセージに聞こえなくもない。いや、絶対そうに決まっている。

・果てしなきゴミロード

結果的にはゴミしか入っていなかったものの、私くらいのヴィレヴァン福袋エリートになると「1番安い3600円だからまあいいか」と思えてしまうのが恐ろしいところ。……全然よくないことはさておき、私はヴィレヴァンの術中にまんまとハマっているのだろう。

2023年のヴィレヴァン福袋は全部で10種類。加えてさらにゴミ度が高い「ヴィレヴァンアウトレット福袋」も購入する予定だ。果たしてこの先、いくつのゴミが待ち受けているのだろうか? 震えて続報を待たれよ。

参考リンク:ヴィレッジヴァンガード
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.