外出のたびに各地で自販機ウォッチングをしている筆者の体感としては、ソフトドリンク界隈でトンデモ商品を見つけると、結構な確率でチェリオである。
以前、当サイトのライターK.Masamiが問い合わせたところ、チェリオは「おいしい・たのしい・あたらしい」をモットーに商品開発をしているのだそう。偶然ヤバい商品が生まれたわけではなく、おそらく意識をしてのことなのだろう。
──そんなある日のことだ。いつものように新しいドリンクを探して散歩していたところ……とある商品を見つけ、思わず叫んでしまった。「チェリオ、またお前か!!!!」
・エナジードリンク『鉄魂』
商品の名前は『鉄魂(てつだましい)』。筆者が購入した自販機では100円だった。
缶にはメラメラと燃え盛る炎を背景に、力強い筆書きの商品名がインパクト大。自販機内に並べられたサンプルの中でもとびきりの存在感だったよ。
自販機を中心に販売しているようなのだが、かなり珍しいらしく目撃情報が少ない。ちなみに筆者は自販機の聖地、中古タイヤ市場 相模原店でゲットしている。
なによりも筆者を困惑させたのがこちらのキャッチフレーズ。
「エナジードリンク ご安全に」……って、そんなコメントがエナジードリンクに書かれてるの、見たことないぞ!!
指さし確認していることからも、コンセプトは “現場系エナジードリンク” ってところだろうか?(自分で言っておいてなんだが、現場系エナジーってよく意味がわからないな)
・『鉄魂』最大の特徴
さて、この謎エナジードリンク 鉄魂。最大の特徴はなんでしょうか? 少し考える時間を入れますね。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
答えは、鉄を配合していることです!
…………。
あまりにもストレート過ぎやしないだろうか。チェリオって純粋なのかな。オレオレ詐欺とか信じて騙されちゃいそうで心配。
それはともかくとして、鉄魂には100mlあたり0.51㎎の鉄が配合されている。
内容量350mlで考えると1.785㎎の配合であり、これは一日に摂取するよう推奨されている鉄の22.3%(成人男性)、または9.9%(成人女性)にあたる。結構多いな。※厚生労働省eJIMより。19~50歳で男性は8㎎、女性は18㎎。
そのほかの成分に関してはこんな感じ。
100mlあたりのカフェインは29㎎、アルギニンは167㎎。アルギニンがちょっと多い気もするが、やはり鉄が配合されていることが一番の特徴といえよう。
・エナドリにあるまじき味
鉄魂をコップに注いでみると、オレンジに近いぐらいの濃いめのお色。
これはさぞかし味も濃いだろうな、と飲んでみたところ……
あれ?
気のせいかな、味が水っぽいのだ。
第一インパクトには王道のエナジードリンク味があり、ガラナの風味も感じられる。しかし後味が「シャバシャバ」と言いたくなる感じの舌触りなのだ。
微炭酸ということも手伝って、キリッと感はほとんどない。エナジードリンクが大好き! という方にとっては物足りなく感じるかもしれないね。なお幸いなことに、鉄分が入っているからといって金属っぽい味や香りは一切しない。
エナジー感こそ薄かったが、鉄を摂ったという事実から なんとなく強い気持ちになれるのは不思議な話。その後の運転もはかどったような気がする。
ネタ系エナジードリンクとしては十分楽しませてもらえたかな。本日もご安全に!
参考リンク:厚生労働省eJIM
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.