
あなたは『国際ロマンス詐欺』という言葉をご存じだろうか? ざっくり言えば、SNSでのやりとりで恋愛感情を抱かせつつ、最終的には金銭をだまし取る詐欺のこと。特徴的なのは相手が日本人ではなく「外国人」を装っていることだ。
先日まで『国際ロマンス詐欺』の存在を知らなかった私、P.K.サンジュンであるが「そっち系の詐欺に引っかかるハズが無い」「引っかかる方がバカ」とタカをくくっていた……のだが。結果的に私の心と金は、マカオのセレブ「Abby(アビー)」に奪われかけたのである。
・いま最も流行している詐欺の1つ
先に申し上げておくが、この記事はかなり長い。何故ならAbyyに恋した6日間はかなりの勢いでSNSのやり取りをしたからで、カットできる部分があまり無いのだ。また、あえてカットしないことで “詐欺の巧妙さ” を読者の方に知ってもらいたい気持ちもある。
さて、NHKによれば2021年の『国際ロマンス詐欺』の相談件数は、新型コロナウイルス禍前の40倍に上ったという。犯人は日本人・アジア人・アフリカ人……などなど多岐にわたるらしいが「いま最も流行っている詐欺の1つ」と申し上げていいだろう。
私自身、かなり危機回避能力が高い人間だと自負しており、これまでこっち系の詐欺に引っ掛かったことはおろか、引っ掛かりかけたことも無い。過去に2回プライベートでドッキリを仕掛けられているが、2度とも序盤で見破った結果「サンジュンつまらない」と仲間内で罵られた男である。
・インスタのメッセージに
そう、なにせ詐欺は「入口がとにかく不自然」なもの。逆に知らない人からのメッセージなど “全てが怪しい” と考えていいハズだ。だがしかし、私の鉄壁のディフェンスを、Abbyはいとも簡単に突破してきたのである。
ファーストコンタクトは私のインスタグラム。娘と写っている写真に「娘はとてもかわいいですね?」というメッセージが送られてきたのだ。
これがもし「こんにちは。とても可愛いらしい娘さんですね」だった場合、私は無視を決め込んでいたハズ。……が、明らかな片言はある種の “純粋さ” と似た成分がある。また、日本人には無いストレートな物言いが、完全に私のガードを下げさせた。
もう1点、この時点で私はアイコンを辿って、送り主の投稿を確認している。そこにいたのは完全体の若いセレブ。意識が高い自撮り写真、数々のブランド品、高そうな料理……などが100以上投稿されていた。
中でも特徴的だったのが「日本での投稿」がチラホラ見受けられたこと。渋谷・大阪・秋葉原・北海道……などをバックに微笑みを浮かべるAbby。私は即座に「日本に興味がある外国人セレブ」と判断した。
また、言い訳ではないのだが、私は特にAbbyのような容姿の女性が好みというワケではない。ただし「じゃあ、お嫌いですか?」と聞かれたら「嫌いじゃない」と答える。とにかくAbbyは “受け幅の広い容姿” とでも言おうか? 返事をした私に多少の下心があったことは告白しておく。
・3つの罠
そこからは他愛もない会話が続き、彼女の名前がAbby(アビー)であること、マカオ出身であること、30歳であること、美容系の会社経営 & 投資が仕事であること……などが判明していく。鉄壁のディフェンス力を誇る私がなぜ……? と振り返ってみたところ、3つの理由があったと思う。
1つは「カタコト マジック」である。おそらくAbbyは翻訳アプリを通してメッセージを送ってきているため、話が嚙み合わないことが多々ある。むしろ「噛み合わない方が普通」なのだ。そのため、本当に怪しい部分ですらボヤけてしまう効果が「カタコト」にあったことは間違いない。
2つ目は「外国人セレブ」という思い込みである。通常、私はポエム気質の人間が苦手なのだが、Abbyがポエムチックな言葉を発しても「やっぱり外国人セレブは違うなぁ~」と完全に納得してしまっていた。私の人生の物差しに「外国人セレブ」の要素はない。
3つ目はお恥ずかしながら「自分の策に酔った」と申し上げなければなるまい。20年ほど前、年間150回ペースで合コンを繰り返していた私なりに「女性はこう言ったら喜ぶんですよね?」的なノウハウ(?)がある。
私が発する「女性が喜びそうな言葉」に、前向きなリアクションをするAbby。「Sanjunは女性を褒めるのが上手ですよ」なんて言われるのが、まんざらでも無かった。というか、気持ちよかった。私の脳内で少なくない量の “気持ちいいホルモン” が分泌されていたハズだ。
この日は結局、Abbyの提案でLINEを交換することで終了。正直に申し上げて、この時点で私は1ミリたりとも詐欺の可能性を疑っていなかった。むしろ「ええ日やったな」と、何度もAbbyのインスタを見返していた。
……が、Abbyと出会って2日目。私の “危機回避センサー” が、そっと静かに作動し始めたのであった……。フォーリンしかけたAbbyに感じた初めての違和感とは? 続きは2ページ目をご覧いただきたい。
参照元:NHK
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:LINE(iOS)
P.K.サンジュン













【私的ベスト】記者が厳選する2022年のお気に入り記事5選 ~P.K.サンジュン編~
【実録】社内チャットで出会った「将軍」と名乗る男とLINEで仲良くなった結果…男はAppleギフトカードのために1曲大熱唱! 涙のアンコールまで大公開!
インスタで迷惑DMを送ってきた怪しいLINE相手14人に突然ウマそうな「肉野菜炒め」の写真を送ってみた結果
寂しさに耐えきれずマッチングアプリを始めたら、8割がロマンス詐欺師だった 〜46歳独身の告白〜
【熱愛発覚】国際ロマンス詐欺師と対話型AI『ChatGPT』を戦わせたら、結果的に私と女詐欺師がイイ仲になってしまった…
編集長が選ぶ! ホントに美味しい「チキン」ランキング ベスト8! / 第26回おすすめ〇〇選手権
セブンイレブンには今「麺類を調理してくれるロボット」がいる / 店舗限定「お店で仕上げた できたて麺」を体験してみた
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 1843話目「忘年会⑨」
お好み焼きを「広島焼き」と言うと広島の人が怒るのはなぜなのか?→ 意外と熱い理由があった
「ゴディバ」のクリスマスケーキが高すぎる → 安い方(4298円)を買ってみた → チョコパイかと思った
【泊まれるスーパー銭湯ランキング】記者がガチで朝まで過ごしたオススメ施設7選 / 宿泊費を抑えて大浴場・サウナ入り放題で最高だったぞー!
全国で4か所! 牡蠣もアワビも食べ放題の超豪華バイキングが圧巻「大江戸温泉物語Premium 鬼怒川観光ホテル」
【美濃焼】おうちカフェ食器10点入り3980円の福袋が大正解! ただ、ひとつだけ不満な点もあった…
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 1836話目「忘年会②」
寿司しゃぶしゃぶ食べ放題の『ゆず庵』で予算5000円の「1人忘年会」してみた結果 → 時を忘れた【ぼっち忘年会最強プラン決定戦】
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
中国「渡航自粛要請」から2週間が経った京都市内「祇園」「清水寺」「錦市場」の様子を見に行ってみた
中国「渡航自粛勧告」から1週間経った、東京・浅草を見に行ってみた
中国の「渡航自粛勧告」から2週間、現在の「奈良公園」で目の当たりにした意外な光景
【納得】ガストの「ジョブチューンで唯一不合格だった」メニューを食べてみた → 不合格にする気持ちがわかった
【検証】10年間ほぼ毎日飲んでる「コーヒー」を1週間断ってみたらこうだった
【は?】楽天で見つけた「在庫処分セール半額おせち」を買ってみた結果 → 届いた数日後にブチギレかけた
【雑草対策】カインズで598円「撒くだけで防草できる人工砂」の効果がヤバ過ぎた / お財布にも環境にも優しい超画期的アイテム
【検証】「スタバはどのサイズを頼んでも量は一緒」という動画が出回る → 実際に試してみた
【事故】楽天で買った『訳ありB級フルーツ福袋』を開封した翌日、妻から信じられないLINEが来た「メロンが…」
怪しい日本語でDMやLINEを送ってくる人たちに「WBC 日本vs中国どちらが勝つと思いますか?」と聞いたら…
【報酬5万円】「SNSアカウント乗っ取り」のDMを生成AIに晒したら…詐欺師を秒速で論破する回答連発で超有能
【詐欺師のレシピ】第11回:うまい話はウソだが、ロマンス詐欺師・晴子の「和牛チャーハン」は本当にうまかった
国際ロマンス詐欺に「おじさん構文」で対抗したら強すぎて震えた
【詐欺師のレシピ】第5回:まさかの具材が激ウマ! 韓国の国際ロマンス詐欺師J.pY式「レタスもやしチャーハン」
【詐欺師のレシピ】第6回:さすがは海鮮がウマい釜山(プサン)の詐欺師!「白ワイン海鮮チャーハン」に感動…!!
【詐欺師のレシピ】第7回:過去最高の完成度! 奈良から来た詐欺師の「牛のチャーハン」は九州で流行る予感!!
【詐欺師のレシピ】第10回:裏切りの味 / 詐欺師コーディネーターかおりの「切り干し大根のエビ豚チャーハン」
【詐欺師のレシピ】第9回:炒飯クロスカウンター被弾! デートクラブ詐欺師ゆきこの「ハルピン腸詰チャーハン」
【コラム】「化粧してないから」って理由で “馬鹿デカいサングラス” かけて出かける女って自意識過剰だよな
ネットパトロールの専門家・GO羽鳥に「今とくにヤバいネット詐欺」と「騙されないためのコツ」を聞いた結果 → 内容がリアル過ぎて引いた