尺が決まっているテレビ。ゆえに、キュレーションされた内容になることはシステム上仕方がないことだと思う。

だがしかし、それとは別に言ってはいけないことも存在するらしい。ある焙煎士に聞いた「テレビで言えないコーヒー大手の裏事情」がテレビの闇でもあった

・テレビ出演もしている焙煎士

コーヒーを飲むためには、収穫・精製された生豆を炒った後、淹れる必要がある。この淹れる人がバリスタであり、炒る人が焙煎士だ。

話を聞いた人物を仮にAさんと呼ぶ。自家焙煎のコーヒー屋を長年やっているAさんは、テレビに呼ばれることもあるその道のプロ。事実、淹れてくれたコーヒーには今まで飲んだことがないような豊潤なコクがあった。そこで感想をそのまま伝えてみたところ……


Aさん「これは豆自体の良さもさることながら、焙煎してからちょうどいい味が出るまで寝かせたものなんですね。コーヒーの味って焙煎してからの時間経過で大きく変わるんですよ

・大企業のコーヒーがマズイ理由

少しお酒っぽい香りが漂っているのはそのためか。でも、その香りがまた上品。炒った直後が1番良いわけではないんですね。


Aさん「味が良くなる時間は豆にもよるんですが、焙煎した直後は大体良くないですね。逆に言うと、それだけ大きく変化するものなので、どれだけバリスタが有名だろうと関係ないんですよ。大手チェーンやメーカーのコーヒーがマズイ理由もここに一因があります」


──と言うと?


Aさん「コーヒーは焙煎してからの時間経過で別物なくらい味が変わります。でも、大手チェーン店や大手メーカーって味が変わったらクレームに繋がるじゃないですか? これを簡単に安定させる方法が1つだけあります」


──その方法とは?


Aさんこれ以上味が変わらないところまで落ち切った豆を使うんです


──最低まで落とすということですか。


Aさん「まあ、こんなことテレビでは言えませんけどね。そこに言及しているのも見たことがない」


──それはなぜですか?


Aさんその大手企業がスポンサーだからです。そもそも言及する流れで話が振られないし、言ってもカットでしょうね」


──とのこと。コーヒー大手企業の闇であると同時にテレビの闇も感じたのであった。テレビって全部は言ってないらしいぞー!

・ニーズとは

なお、この件は、マスターいわく「コーヒー関係者なら言うまでもないこと」になっているらしいのだが、信じるか信じないかはあなた次第。

それにしても大手企業は大変だ。この話が事実なら、消費者のニーズに応えた結果、マズくなってるんだから。まあ、結局は色んな闇も全部ニーズが作り出してるんじゃないかと思わなくもない。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.