キラびやかなテレビのスポットライト。だが、光輝く世界には裏側がある。その裏側を長年目の当たりにし続けてきたのが元テレビマンのY氏だ。

就業時間も仕事関係も、一般常識では考えられない部分があるテレビ業界。そんな業界で10年近く活躍していたY氏が震えあがったことがあるという

・ある大手芸能事務所

それはある大手芸能事務所からの圧力だ。自分が担当する番組で、その事務所所属の俳優さんを使いたいと思い立ったY氏。しかし、その俳優は当時、事務所との問題が取りざたされていた。そこで、念のため事務所に相談してみたところ……


その局でA(同事務所所属の超売れっ子)を使えなくなりますけどいいですか?」


──と言われたのだとか。怖っ


Y氏「うちの会社じゃなくて局なんだ……って思いました。会社的にも局には迷惑かけられないし、怖いし、リスクが高すぎて結局諦めましたね」


──暗に「使うな」ってことじゃないですか。芸能事務所からの圧力って本当にあるんですね。


Y氏「そこまで言われたのはその1回ですが、圧力はあります。テレビ局自体にかけるかと言われたら謎ですが、番組制作会社に対して芸能事務所が威圧することはあるんじゃないでしょうか。私実際されましたし」


──そう言われると起用の提案もできない空気になりますね。


Y氏「ただ、直接口頭でいわれたので、メールも電話の録音もなにも残らず。だから「そんなの言っていない」と言われたらおしまいなんですよね。向こうが「冗談ですよ」と言ってもおしまい。残るものは何もないんでいくらでも誤魔化せます。やってないよ~と」


──想像以上にオラオラでした。


Y氏「圧力ですからね」

──以上である。Y氏が圧力を受けたのはこの1回だけとのことだったが、1回で十分とも言える。それほどに破壊力がある体験と言えるのではないだろうか。

キラびやかなテレビのスポットライト。だが、光が強いほどに闇もまた深い。テレビの裏側には、一般人が想像だにしない闇が転がっているのかもしれない。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.