タイミング。それは何事においても重要であるが、詐欺においても例外ではない。どんなに雑な詐欺でも、タイミングが悪ければコロッといかれてしまうのだから。

今回取り上げる詐欺SMSもまさにそうで、運が悪ければクレジットカード情報を含む個人情報がごっそり抜かれても不思議ではないだろう

まずはその詐欺SMSの全文を紹介したい。こんな感じだ。


「お客様の出前が遅延が出ております、こちらまでご確認ください」


ご覧のように「出前が遅延が」と日本語が不自然な上に、URLもどこか怪しい。冷静になってみれば詐欺っぽさ全開であるが、いやらしいのはSMSを送信してきた時間帯である。

私が受信したのは……


昼の12時32分!


そう、ちょうどランチの時間帯であり、まだお昼を食べてない人からしたら結構お腹が空いてくるタイミングなのだ。これは完全にギルティ。空腹野郎を狙い撃ちにするとは、なんと悪質な詐欺だろうか。


・偶然が重なると

まぁ、出前を頼んでない人であれば「は? 何それ?」で終わりかもしれないが、そのSMSを受信したとき偶然にもUber Eatsなどで注文しており、商品が届くのを待ち焦がれていたら……。

遅延? マジかよ!! こんなに腹減ってるのに……! となってもおかしくはないし、そのままの勢いでURLをタップしてしまっても不思議ではない。


──と、私自身が引っかかりかけた言い訳をしたところで、実際にどうなるのかを紹介しよう。SMSに記載のURLをタップしたら……


「安全に異常がある」と書かれたページが出た。この時点で私は「あ、これ詐欺だわ」と気づいたが、もし出なかったら危ないところであった。

ちなみに、「安全に異常」のページの先に何があるかというと……



ニセAppleのページ。これを本物だと勘違いしてApple IDなどを入力してしまうと最悪なことになるから、絶対に入れてはいけない。すぐさまページを閉じるべし。というか、その前段階で撤退したほうがいい。

念のために言っておくが、もしあなたの元に似たようなSMSが届いたら削除か無視の二択。間違ってもURLをタップしてはいけない。

「そんなもんタップするわけねぇだろ」と思っている人がほとんどだろうが、タイミングによっては信じてしまうのが詐欺SMSの怖いところ。防ぐ手段があるとしたら、「こんな詐欺がある」と事前に知っておくことだろうか。

なお、当サイトでは以前にニセAppleのサイトに自分のIDを入力してしまった顛末(てんまつ)について紹介している。それを読むと詐欺SMSの怖さがより一層感じられると思うので、あわせてどうぞ。

参考リンク:フィッシング対策協議会「出前をかたるフィッシング」、Apple「詐欺に引っかからないためのヒントや対処法
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:メッセージ (iOS)


▼詐欺SMSの電話番号に折り返してみたが、やはりと言うべきか応答はなかった