Amazonでシャツを選んでいたら「お客様と同じサイズの他の購入者の購入履歴によると、お客様にはXLがおすすめです」とアドバイスされた。ズボンを選ぶ際にも「お客様にはXLがおすすめです」とAmazon。とても親切な機能だが、これってどの程度信頼できるのだろうか。
一応、助言に従って「9円のシャツ」と「1円のズボン」を買ってみた。シャツはさらりとした肌触りと美シルエットが特徴の鉄板アイテム、ズボンはゆったりとしたシルエットで着回しの可能性を広げてくれるらしい……春らしさ満開の10円コーデがこちらになります。
・総額10円コーディネート
9円のシャツと1円のズボン、どちらも中国大陸からはるばる海を越えてやってきた。なので、商品代金とは別に送料が約1500円かかっている。ズボンの商品ページに「まとめ買いもおすすめ」と書いてあったので、気に入ったら100本くらい大量購入するつもりだ。
さっそく開封してみると……
グシャグシャに丸まったズボンとシャツが登場した。
さすがトータル10円である。乱暴に詰め込まれて海を渡ったのだろう。ようこそ日本へ。
それでは、あらためて各商品を詳しく紹介したい。9円のシャツは「和風 メンズ 無地 リネン ポケット 綿麻服 カジュアル 柔らかい 軽い 薄手 男性 ブラウス 冷房 アウトドア 夏季対応 お兄系 プレゼント」という名前(これでも省略しています)。怪しいし絶妙にダサい名前だ。
商品説明には「2019年新販売メンズファッション夏おしゃれ着こなしTシャツです、これが今季のトレンドだけど、今年のTシ」と……大事なところで文章が途切れてしまっている。ちなみに総合評価は1.5。9円なのに厳しい評価が集まっていた。
つづいて、1円のズボンは「カーゴパンツ メンズ 作業着 多機能 ミリタリー ワークパンツ 運動 大きいサイズ くるぶし丈 サルエルパンツ アラジンパンツ スウェットパンツ ロングパンツ」とこれまた長い商品名。
パッと見はただのジャージだが、先に述べたように「ゆったりとした着心地」で普段使いにピッタリの「シンプルなデザイン」が特徴らしい。んで、総合評価3。1円でも評価3とは……いったいこれ以上どう頑張ればいいんだよ。サイズはAmazonの言うとおり……
どちらも「XL」を選んだ。
実際に着てみると……
シャツは大きめでズボンはピチピチだった。とくにズボンは「スパッツでしたっけ?」と思うほどのピチピチ具合。素肌に吸い付くようなフィット感である……ウソだろおいいいいいい。
自分で選んだサイズならまだしも、ゆったりとした着心地が特徴のパンツを「お客様ならXLですね」という助言どおりに購入して死ぬほどピチピチなのは予想外である。とはいえ、素材の良さはお値段(1円)以上。サイズさえ合えば問題ないと思う。
シャツは正直よくわからない。裾(すそ)を外に出すのか、それとも入れるのが正解なのか。パンツの中に入れたら違和感なく着用できそうだが……今回の場合はズボンが信じられないほどフィットしているため、中に入れた途端に変態度が増した気がする。
ちなみに、30枚500円(1枚約17円)のマスクを付けたら、マスクが1番高いってことになった。17円は高過ぎィィィィイイイ!
というわけで、商品名と使い心地にギャップがあったのは確か。この感じだと「お客様におすすめのサイズは〜」の流れで一生ピチピチズボンをプッシュされるだろう。「ピチピチズボン地獄」から抜け出すことはできるのだろうか。購入履歴を修正させてくれぇぇ!
参考リンク:Amazon「9円のシャツ」 「1円のズボン」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]