ベテランキャンパーのなかには「冬こそキャンプ本番!」という方もいるだろう。しんと静まりかえった雪山や、空気が澄んでどこまでも見通せる星空など、冬ならではの楽しみがあると思う。

残念ながら筆者の住んでいるところは冬季閉鎖のキャンプ場も多く、四輪駆動でもスリップする凍結路や、息がつまるほどの吹雪など、命にかかわる悪天候もしばしばなので、すっかりキャンプがご無沙汰だ。

ところがこの冬「お好み焼道とん堀」でキャンプ飯が食べられるだと!? それは聞き捨てならぬ!


・期間限定メニュー「キャンプ飯」

たしかにメニューには「キャンプ飯」のページがある。カレー缶、スパム、ホイル包み、ラーメン……ソトメシ好きなら気になるキーワードが並ぶ。

オーダーすると丁寧な「作り方シート」と軍手(缶詰メニュー用)を渡された。


最初に注文したのは「カレー缶ディップ」税込650円。


まずはタネを鉄板で焼く。お玉3杯分がついてきた。


同時進行でカレー缶を鉄板で温める。この感じ、とてもキャンプっぽい!

ちなみに缶詰をバーナーなどの直火にかけるのは安全性の面からNGとされる。店舗の鉄板は一定の温度に保たれていることもあって、しばらく置いていてもカレーが沸騰するほどの高温にはならなかった。そのぶん「温まりにくい」ともいえるのだが、むしろ安心感がある。

チーズ味、ブラックペッパー味、プレーンの3種を作れるので、それぞれトッピングをのせる。この時点で美味しそう!


チーズがいい具合にキツネ色になった!


何百人、何千人の人が使ってきた鉄板はしっっっかり油が染み込んで焦げつくこともない。みるみる溶けるチーズに「大丈夫か?」と思ったけれど、きれいにペラッとはがれることに感動する。よく育った鉄板だ!

カレー缶にディップ! これはうんまぁぁぁぁぁい!


カレーはバターチキンのようなクリーミーな風味。そして生地はナンだろうか、モチのように弾力がある。

前述のとおりカレーは熱々にまではならないのだが、ナンが焼きたてだから問題ない。むしろ半溶けのチーズなんて火傷しそうだ。

ブラックペッパー味もピリリと刺激があっていい。そしてプレーンは生地のモチモチ感が際立つ。


続いてやってきたのは「鉄板鶏ガラ醤油ラーメン 」税込750円。


インスタントラーメン~~~!! まさか飲食店のテーブルで出会うとは思わなかった。


鉄板にアルミ容器を置いて、玉子とラーメンを入れる。


しばらくするとフツフツと煮立って玉子が固まってくるので、麺をほぐして出来上がり。


ものすっっっごくジャンクな味! おそらく読者の方の「想像どおり」「そのまんま」の味である。けれどそれが旨い!

濃いめの味つけに、不均等に固まった玉子。なんてことはないメニューなのだが、涙が出るほど美味しい!

しかも、この商品にはデフォルトで「〆のチーズリゾット」セットがついてくる。そうそう、キャンプでは「残った汁」の処理に困るから、無駄なく使いたいよね!

見た目はちょっとアレだが、このリゾットも神の領域! ラーメンを煮込んだ後の鶏ガラ醤油に、チーズとご飯を投入して熱々に温めたのだ。美味しくないはずがない!!

最後に「スペアリブのガーリックバター焼飯」税込1000円。


ホイル包みのスペアリブを鉄板で温める。


同時進行で焼飯を作る。見るからにガーリックたっぷりで、人に会う予定のある日には食べられないぞ。


ほどよく熱したらスペアリブと野菜を取り出す。ほぼ完成品なので、温める程度で大丈夫だった。


焼飯に具材をのせたら完成だ!

もちろんスペアリブはその場で作ったものではないから、やや出来合い品らしさがあったものの、ガーリックがきいていて美味しい! 実際のキャンプなら、じっくり半日くらいかけて自作するのも楽しそう。


・アイディアの勝利

考えてみれば、お好み焼き専門店だからつねに熱々の鉄板が準備万端になっている。火力も安定して失敗知らず。面倒な鉄板の手入れや後始末も、店員さんはエキスパートである。

キャンプ飯との相性はぴったりだといえる。考えたなぁ!

ジャンクな料理の数々、フーフーいいながら食べるのはかなり楽しかった。しかも「作るだけ」の状態で出てくるわけだから、キャンプ飯のいいとこ取りである。

提供されているのは、ほかに「鉄板おさつバターバニラアイス付 」(税込500円)や、「ワイルドスパムエッグ」(税込950円)など。

実施期間は2021年12月1日から2022年3月までの予定。あまりに上手く寄せているために、余計にキャンプに行きたくなってしまった! 春よ早く来い!!


参考リンク:お好み焼道とん堀
執筆:冨樫さや
Photo:PR TIMES、RocketNews24.