39℃の発熱から連載している「新型コロナを発症した話」。前回4日目はついに陽性であることが判明した。世に言うタイトル回収回である。別に神回ではなかったが、タイトル回収しただけあって新展開は出てきた。それが宿泊療養。

東京都福祉保健局のサポートで、ホテルにて隔離期間を過ごせるこのシステム。宿泊費、食費は無料とのことだが、一体この隔離生活はどんな感じなのか? 真実に切り込む5日目。私が見たのは圧倒的な裏側だった……!

・当日朝に連絡

先日電話で聞いた内容をおさらいすると、本日のスケジュールは次のように進むはずだ。「9時以降:ホテルのドライバーから出迎え時間を告げる電話 → 車で自宅へ出迎え → ホテル着」と。

で、電話がかかってきたのは10時。電話によると送迎は15時30分頃になるという。すぐに迎えに来る感じかと思いきや、結構時間に余裕があった。というわけで、持っていく荷物を再度見直し、準備が万全かを確かめることに。なにせ、1週間宿泊するわけだからな。

・荷物について

ちなみに、事前準備については、東京都福祉保健局の「これから宿泊療養をする方へ」というページにまとめられている。必ず持参するものにタオルやナイトウェアが入っているところを見ると、普通のホテルなみのアメニティーは期待できないだろう

何があって何がないのかは入所してからお伝えするとして、今私がすべきことは1週間をできる限り快適に過ごす準備を整えることだ。すなわち、1泊2泊では持っていかない枕も今回は持っていく

なお、洗濯機もない模様。いや、ないというか多分、我々は使えないのだろう。そんなこんなで荷物は膨らみがちになったが、なんとかまとめたところで、送迎車のドライバーから家の前に到着したという連絡があった。

・送迎車が行き着いた先

送迎車は運転席が分厚いビニールでガードされたバンだった。相乗りになる場合もあると聞いていたが、今回は私1人なようである。

現在、臨時休業中のカンデオホテルズ上野公園に入っていくバン。車を出たら駐車場っていうか袋小路でデッカイシャッターが下りている。裏手感が凄い。ミニシアター系映画で言うと、嫌々バイトしている峯田和伸がボッコボコに叱られた上に恋人の浮気相手から寝取られ電話がかかってきそうな場所だ。

とは言え、臨時休業でシャッターが閉まっているため、普通の駐車場をそう感じただけなのかもしれない。バンが再び出ていった後、スタッフさんが「あちらからどうぞ」と入口を教えてくれたのでそちらを見たところ……


圧倒的に裏側ァァァアアア!!


まずもってテントで隠された入口が隠し通路みたいになっている。さらに、進んでいくとそこは明らかに裏口。迷路のような道はいっそワクワクするくらいだ。

・にじみ出る隔離感

ただ、受付はガラスでガッチリガードされているし、いたるところがテープなどで目張りされている。PCR検査時同様、その厳重さに自分の状況を思い知らされた。そんなガラスの壁の向こう側にはホテルスタッフがいて、インターホンで入所についての説明をしてくれる。本当にお疲れ様です


説明と入所のしおりによると、食事は3食お弁当で、水かお茶のペットボトルも提供されるようだ。部屋から出ていいのはお弁当を取りに行くタイミングのみとのことなのでちゃんと隔離である

・注意点

個人的に気を付けないといけないと思ったのはLAVITA。これは脈拍などを入力する健康チェックシートのアプリなのだが、入力時間が7時と16時の2回と決まっている。また、安全確認もかねているため、決められた時間に入力を確認できなかった場合、無事かの確認を行っているそうだ。

その確認手段が、最初は部屋の電話なのだが、電話に出ないと携帯になり、最終的には突入してくるというからこれだけはマジで忘れてはいけない。私のうっかりで看護師さんにSWATみたいなことをさせるのは申し訳なさすぎる。誰も部屋に突入したくて看護師になったのではないはずだから。


なお、楽器演奏はNGとのこと

これはネタでもなんでもなく、純粋に暇つぶしでギターを持ってきたから判明したことなのだが、エレキギターをアンプに繋げないシャンシャン状態でもルール上NGとのことであった。ロックンローラーは要注意!

逆に言うと、それ以外はゴミも処理してくれるし食事も用意してくれるんだから、明らかに自宅療養より楽なように感じる。ただし、まだ1日目の入所したとこなので、事実どうなのかについては後日改めて記事にてお伝えしたい。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.