新型コロナが発症したら、隔離期間は発症日の翌日から最低10日間。で、私(中澤)がホテルでの宿泊療養を選択したことは、この連載「新型コロナを発症した話」でお伝えしている通りだ。

そんな本連載も9日目。退所も目前なので、この宿泊療養で出た弁当を振り返りたい。このタイプの弁当初めて見たァァァアアア!

・1週間食べ続けるとなると重要

私が宿泊しているのはカンデオホテルズ上野公園。ホテルについては東京都福祉局に宿泊療養を希望する旨を伝えたら、半自動的に決まったものである。

つまりは、私の場合、施設を選んだりはできなかったわけだが、実際入所してから「大事だなあ」と思ったのは食事。5日もいると、興味のあるネットコンテンツも尽きて1日の楽しみは食事だけになるので重みが増してくる。そんな中でガチでテンションが上がった弁当があったので以下にご紹介したい。


・鯖のごま醤油焼き

鯖の身に脂が乗っておりふっくら柔らかく、ごま醤油焼きという調理も工夫が感じられる。2切れ入っていてボリューミーなところもグッド。断トツで激ウマだった。3食全部これでも良いくらい


・牛肩ロース塩だれ焼肉

ガッツリした牛焼肉にキムチもついて焼肉屋の弁当みたい。塩だれの味付も良く、レモンと合わせて牛肉の素材の味が引き出されたナチュラルな旨み。なにせガッツリしている。


・牛ハンバーグ~トマトソース~

個人的には、ハンバーグ弁当って1番当たりハズレが分かりやすいと思う。ペラペラだったり冷凍食品臭かったりハズレのものはハッキリとハズレ。むしろ当たりの方が少ないレベルで、しかも、宿泊療養のホテルの弁当なので、全く期待していなかったのだが……

驚くべきことに悪くない。分厚いハンバーグからはトマトソース以上に牛肉の旨みが感じられ、ちゃんとハンバーグの味がする。ボリュームもあって満足度も高かった。


──この3つはどこに出しても恥ずかしくないウマさだった。療養だし、病院食みたいな弁当が出てくると思っていただけに予想外である。

そして、もう1つ予想外だったのはバリエーションの豊かさ。1週間で1度も弁当がかぶることはなかったのである。なんならバリエーションが豊富すぎて、この宿泊療養で初めて見るタイプの弁当もあった。それが以下。

・パン弁当

なんとパンである。宿泊中、このタイプが2回出てきたのだが、いずれもおかずは、チーズ、目玉焼き、ミニオムレツ、ウインナー、ナゲットなどの洋食ラインナップ。2回とも朝食での登場だったため、ブレッドモーニング的な位置づけなのかもしれない。

・総評

と、弁当としては変わり種だが、具は多彩に工夫されていて飽きさせない配慮が伝わってくる。総評として言えるのは、好みはあれど、どの弁当にもその配慮が感じられるということ

例えば、米も弁当にしては美味しい。カチカチに固まってる感じじゃなくてふっくらしている。そのため電子レンジで温めてもベチャッとならず、弁当の米に飽きなかった。

もし、これがコンビニやスーパーのクオリティーだったら、飽きて全部マズく感じていたと思う。1食2食ならともかく、約1週間毎日3食ずつだしな。

つまり、私が弁当を楽しみにしていたことそれ自体が、カンデオホテルズ上野公園の弁当のクオリティーを示していると言える。というわけで、むしろ食には助けられたのかもしれない。現場からは以上です。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.


[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]