料理で何が面倒くさいかって洗い物だ。ネットには簡単レシピがあふれているが、私(中澤)に言わせれば調理器具を使っている時点で簡単ではない。むしろ、洗い物が出ないのであればちょっとくらい味が雑でもOKというのが私の見解だ。

そこでなるべく洗い物を出さないで食べる術を日々研究していたところ発見してしまった。最強のずぼらメシ「やけくそピザ」を──。

・最強たる所以

何が最強かと言うと後処理の楽さである。調理器具はおろか皿すらも使わない。食べた後の洗い物はゼロだ

ピザ食べといてそんなことある? そう思った人に対し、1つ訂正しておきたい。ピザではなく「やけくそピザ」だ。この料理はピザであること以上に洗い物を出さないことにこそ主眼を置いている。

あくまで、私レベルの片付け嫌いが、片付けか死かという破滅的な精神状態に追い込まれた際にギリピザとして機能するもの……それが「やけくそピザ」なのだ! よって、ピザを期待する人はこの先を読まない方が良いだろう。断言するが、有益な情報はない

・やけくそピザのレシピ

さて、時間を無駄にする準備は整っただろうか? それでは報告を始めよう。やけくそピザのつくり方は以下の通りだ。


【材料】
・トマト
・チーズ


【つくりかた】
1. トマトを洗う


2. トマトを食べる


3. すかさずチーズを食べる


4. ちょっとピザの味する!

──トマトは良い。煮たり焼いたりしなくとも食べられるし、何より皮をむかなくていいから。丸かじりすれば切る必要すらないのである。要はフライパンや鍋どころか、包丁すら必要ない

これほどそのまま食べられて味付けなしで新鮮な味を提供してくれるものがあるだろうか。冷蔵庫に常備すべきは卵ではなくトマトだったのだ

・トマト最強説

しかも、そんなにお高くない。私の家の近所のスーパーでは5個入り300円くらいで売っていたりするので、これを冷蔵庫に常備しておき、面倒くさい時に台所でそのまま食べるのが日課になっていた。

トマトを食べている時、私は思わずにはいられない。「全てのずぼらは最終的にはみんなトマトに行き着くのではないか」と。それほどに完成された味、完成された存在。

・やけくそピザ誕生秘話

だが、いかにトマトと言えど、それだけだと夕飯には心もとない。そこで冷蔵庫にあったスマートチーズを気まぐれにかじってみたところウマイ!!

豊潤なるチーズの味、そしてトマトの酸味と甘みが奏でるハーモニーは例えるなら生のピザソース! やけくそピザが爆誕した瞬間であった。

生地がないとは言え、トマトだけよりも抜群に満足度が高いやけくそピザ。もし、もっとピザに近づけたい場合はパンも一緒に食べると良いだろう。

だが、私個人としては逆に生地がないことによって、炭水化物量が少ないのも利点だと思う。健康志向の方にもオススメ。料理に調理器具は必要なかったんだ。口の中で完成して後には何も残らないこの料理。健康志向のずぼらには最強と言えるのではないだろうか。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.