昨年9月のこと。スペインに滞在していた私の元へ、とんでもないニュースが飛び込んできた。それは新ポケモン『トリミアン』の実装、ならびに “フランス限定カットフォルム” の存在を知らせるものだ。時期は……1週間後だと!? バカバカ! いくらなんでも急すぎるだろ!!!

皮肉なことにこの数日前、私は次の目的地・ギリシャ行きの航空券を予約したばかり。クソッ、今ならフランスの近くにいるというのに! せめてあと10日ズレていればッ……!

などと呪いの言葉を口にしてみたところで、ポケGOが急なのは今に始まったことではない。冷静に考えてみれば “ヨーロッパ滞在中に限定フォルムが実装された” こと自体、私はかなり運がよかったのだ。ならばやるしかないだろう……ギリシャからフランスへ逆・トンボ返り──!

・欧州クレッフィ事情

なお私は2019年にもフランスでポケGOをプレイしたのだが、当時と今とでは状況が全く異なる。その理由は……


フランス限定ポケモン『クレッフィ』が実装されたから!


これによりフランスへの渡航を目論むトレーナーが激増したことは言うまでもない。なおクレッフィは正確に言うと “フランス近郊限定ポケモン” 。フランス寄りのスイス、ドイツ、イタリア、イギリス、スペイン一部地域のほか、ベルギー、ルクセンブルグではほぼ全域で出現が報告されている。

ここで気になるのが『クレッフィ』と『トリミアンのフランス限定フォルム』の出現エリアは同一なのか? という問題だ。仮にそうだった場合、スペイン(マドリード)に滞在中の私は “フランスへ入国せずともスペイン北部へ移動すれば事足りる” ということになる。


そこでトリミアンの実装当日、私はスペイン北部(クレッフィ出現エリア)在住のフレンドにコンタクトをとった。「そちらでフランス・フォルムにチェンジは可能か」と確認したところ……答えは「ノー」! フランス限定フォルムはガチのフランス限定だそうです。トホホ。


・パリでポケ活

ってことで、ギリシャからパリへ逆・トンボ返りした私。ギリシャでのポケ活については以前の記事をご覧いただけると幸いだ。

ちなみに、パリでポケモンGOをするなら私は圧倒的に『チュイルリー庭園』を推したい。ここはセーヌ川、ルーブル美術館、コンコルド広場に挟まれた美しい公園で、碁盤の目のような形状からポケ活に非常に適している。

特にコミュニティ・デイなどのイベント時、ヨーロッパのトレーナーは大きな公園に集まりがち。 “日本と比べてトレーナー数が少ない” という理由もあろうが、ともかくパリでポケ活するならチュイルリー庭園に来ておけば間違いないのだ。

疲れたらベンチに座って一休みするもよし。美しいパリの景色を眺めていると、何周でも歩き続けられそうな気がする。なんだかんだ言ったけど、やっぱパリへ来てよかったな〜。


・クレッフィを求めて

さて。それではここらで発表しよう。私がパリで11日間ポケGOをガチプレイした結果、ゲットしたクレッフィの総数は……


14クレッフィ!


1日あたり1.27クレッフィ……ギリシャでのシンボラー捕獲割合が「1日あたり1匹」だったことを考慮すると、まぁ及第点といえるのではないだろうか。

惜しむらくはフランス滞在の日程が『ハロウィンイベント2021』と完全にかぶり、パリじゅうがバケッチャまみれになってしまったこと。アレさえなければ20クレッフィは堅かった。イベントの有無は旅ポケの超重要な要素だ。まぁ、全ては運でしかないが……。

また残念ながらギリシャと同様、現在(2022年1月時点)のところクレッフィがタマゴから孵化するパターンは無い模様。なんともハードモードだが、「だからこそ燃える」という説もある。地道に『付近のようす』をチェックし続けるしかない。

パリ市内でクレッフィを狙う際は「パリ20区外ではポケスト数が一気に減る」「クレッフィが小さいためマップ上で見落としがち」「オルリー空港にはほとんどポケストがない」という点に注意してほしい。トランジットでワンチャン狙うトレーナーはなるべくシャルル・ド・ゴール空港を利用すること!


・憧れのクイーンカット

現在9種類のフォルムが実装されているトリミアン。国単位での限定フォルムはフランス、エジプト、日本のみだ。


それではいざ、憧れのフォルムチェンジ…………いっけぇぇえええ!!!



キタキタァ!!! フランス限定のクイーンカット!



ついでにダイヤカット(ヨーロッパ、中東、アフリカ限定)も!


数ある海外限定ポケモンの希少性・実装時期などを総合的に判断した結果、現在のところ『海外レアポケ三大聖地』と呼ぶべきはバッフロンを有するニューヨーク、シンボラーとキングダムカットのエジプト、そしてクレッフィとクイーンカットのフランスである。コロナが明けたら旅先はこの3都市のどれかで決まり!


・そして絶望の時

ちなみに……私が今回訪れた10月の段階では、ニューヨークやエジプトを抑えてフランスがダントツの “レアポケ世界1位” で間違いなかった。なぜならフランスはクレッフィ、クイーンカットに加え、ヨーロッパ限定ポケモン『マネネ』も出現する場所だから。

ぶっちゃけ色違いマネネさえあれば、バッフロンだろうがシンボラーだろうが簡単に交換で入手できるに違いない。本当に欲しいのはマネネ、これヨーロッパ旅行の常識!


ところが…………!


忌々しいことに私がフランスを離れたわずか2週間後……突如発表された『ダイパリメイク イベント』によってマネネは全世界に出現。SSS級レアだった『色違いマネネ』は、一瞬にしてA級くらいの価値にまで転落したのであった。バカ野郎!!!! いくら使ったと思ってんだ!!!!!!

旅ポケの道はイバラの道。報われないことも多いが、限定ポケモンを見つけた喜びは何にも代え難いものがある。本記事が今後、フランスの地を目指すトレーナーたちの参考になれば幸いだ……諸君の健闘を祈る!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24. / c2017 Niantic, Inc. c2020 Pokemon. c1995-2020 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
ScreenShot:ポケモンGO (iOS),Googleマップ