『ONE PIECE(ワンピース)』の読み切り『ROMANCE DAWN』が週刊少年ジャンプに掲載されたのは私(中澤)が中学2年生の頃。主役が海賊なことに始まり、動きを点ではなく線で捉えているような絵の迫力など、当時全てが新しく感じた。ほどなく連載が開始された時は拳を突き上げたものである。

そんなワンピースも2021年9月3日に100巻が発売された。マジかよ。ワンピースがあの感じで100巻も続くとは当時、思ってもみなかった。ここ10年くらい読んでなかったが青春の作品である。そこでとりあえず100巻から読んでみることにした。

・読まなくなった理由

10年前と言えば私がロケットニュース24で書き始めるよりずっと前だ。ロケットニュース24の前は無職で、さらにその前はベンチャー企業のアルバイト。で、そのアルバイトの前に、テレアポ時代があり、多分、ジャンプを買うのを辞めたのはこの辺り。

理由は、シンプルに買うお金がなくなったから。で、1週買えなかったら「もうエエわ」となってしまったのである。確か魚人島の辺りだった。まずは、コミックスでその部分を確認してみたところ、ラブーンみたいなクジラがいっぱい出てきたシーンまでは見覚えがあったので魚人島終わりの66巻辺りで止まっているようだ。

・空白の10年

34巻分の空白。100巻だけ読んでもついていけない可能性は高い。なにせ、私がパワハラを受けて、無職になり水道を止められ、ロケットニュース24に流れ着いて昆虫歯磨き粉を食べたりしている間、ワンピースはずーっと週刊連載で進んでいたのである。

麦わらの一味が大海賊団になってたらどうしよう。それも覚悟して100巻から読んでみたところ……マジかよ!?


普通についていける


スッと読めたどころか、自分でも予想外だったのは、ちゃんと見せ場でグッと来たこと。錦えもんがカン十郎を斬るシーンなんてちょっと泣きそうになった。どっちのキャラも知らんのに

・ついていけた理由

もちろん、これは34巻分の内容が薄かったという話ではない。話自体はちゃんと進んでいて、その証拠に「飛び六胞」とか「赤鞘」とかの単語の意味や細かいモブまでは把握できなかった。

しかし、読んでいるうちに、100巻で見せ場のあるキャラがどんなヤツなのかは大体理解できたのである。要するに、ストーリーの中やデザインでそういった説明がきっちりされている印象。いきなり100巻を読んでも敵か味方かが1コマで分かる

・10年ぶりだからこそ分かったこと

また、10年前すでに登場していたキャラがバンバン物語に絡んできているのも胸アツだった。尾田栄一郎先生いわく「物語は終盤」とのことだが、久しぶりに読んで最も強く感じたのはワンピース独特の勢いは変わっていないということ。

100巻をいきなり読んだにもかかわらず、99巻より101巻が気になる。グイグイ引っ張られる感じは今も健在で、これは10年ぶりだからこそ純粋に分かったことだと思う。

というわけで、ワンピースは途中離脱者にも優しいことが判明した。これは裏を返せば、途中からの参加者にも優しいと言えるのではないだろうか。ストーリー漫画なのに。私のように離脱していた人もこれを機にもう1度ジョインしてみるのも良いかもしれないぞ。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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