1997年に連載を開始してから、現在も続いている人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』。テレビアニメ・劇場アニメ・ゲーム・小説などメディア展開を繰り広げ、日本だけでなく海外でも高い支持を誇る。

子どもはもちろん、この作品を読んで育った大人世代も多いはずである。しかし、20年もの長きにわたって連載を続けていると、途中で読むのを挫折する読者も少なくないだろう。どこまで読み続けているかで、その人の純粋さがわかるはずである……。

・友情、努力、勝利

この作品は、主人公ルフィーと麦わらの一味の活躍を描いた物語である。連載開始当初、少年だったルフィーは旅を続けていくにつれて成長して強くなっていく。数々の困難に立ち向かい、「海賊王」になることを夢見て、仲間と苦難を乗り越えていく。

週刊少年ジャンプがテーマに掲げている「友情・努力・勝利」を表現している作品といえるだろう。

・どこで挫折した?

純粋であればあるほど、作品世界にのめり込めると言ってもいいはずだ。逆に言えば、挫折が早いほど、素直さが足りない可能性も否めない。という訳で、当編集部のメンバーに「ONE PIECE、どこで挫折した?」と尋ねてみた。すると次のような結果となったのである。

【ONE PIECE挫折段階で診断する純粋度】

・純粋度:マックス → あひるねこ
いまだに連載を読んでいる当編集部あひるねこは純粋度マックス! 20年もの長きにわたって、律儀に読み続けている彼は真のファンである。物語のなかで、随所にツッコミどころがあるものの、彼に言わせれば「(ツッコミどころがあっても)それでいいんですよ」とのこと。

すべてを許容するファン精神はまさに愛だ! 子どもに登場キャラの名前を付けるタイプ。

・純粋度:50パーセント → 中澤星児・佐藤英典・田代大一朗
おそらく、挫折した人のほとんどがひっかかったポイントは「ドレスローザ編」(単行本70~80巻)ではないだろうか。ドンキホーテファミリーとの戦いを描いていたのだが、少し読まない間に物語が複雑になっており、途中からストーリーを追いかけるのが面倒になって、読むのを諦めるパターン

それでも作品に関する議論は一通りできるので、「そこそこ知っている」レベル。ここに来る前の「パンクハザード編」で、挫折の準備が整っていたケースもあり得る。

・純粋度:20パーセント → Yoshio
もっと前に挫折する人もいる。たとえば、当編集部のYoshioは「ドラム島編」(15~17巻)ですでに挫折していた。彼は「チョッパーみたいなヤツが出たところで、読むのをやめた」と話している。チョッパーみたいなヤツではなく、チョッパーだ。そのくらいうろ覚えなのである。

しかし、登場人物については多少わかるので、知識ゼロではない。キャラを見ればわかるレベル。とはいえ、物語のなかでも秀逸なエピソードのひとつ、ドラム島編で挫折するとは、純粋とは言えないだろう。

・純粋度:0パーセント → P.K.サンジュン
もはや何も語れないのが純粋度0パーセントのサンジュン。キャラの名前と顔が一致しない。エピソードのひとつも語れない。作品名はわかるけど、物語がどう展開したのか、一切知らないのがこのパターン。ある意味、読むのに挫折はしていない。

なぜなら、最初からまともに読んでいないからだ。心のなかに純粋さの欠片もない、汚れた大人なのである……。

・汚れた大人になるな!

多くの大人は読むのを諦めたのかもしれない。しかし主人公ルフィーはいまだに夢を追いかけ、子どもたちはその姿に感動と勇気をもらっているはずである。子どもの純粋さがいつまでも続くことを願う。決して純粋度0パーセントの大人になんかなるなよ!

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼純粋度0パーセントのサンジュンによる、ロロノア・ゾロのマネ。三刀流なのだとか……