年末年始のテレビがクソつまんねェェェエエエ! でも、遊びに行きたいとこもねェェェエエエ!! っていうか、友達いねェェェエエエ! 大型連休を満喫したいけどマジやることなさすぎて死ぬ。そんな人は私(中澤)以外にもきっといるはずだ。

そこで2021年を振り返って、最後まで見て良かったアニメをご紹介したい。「見た方が良い」とかいうつもりはないが、暇で死にそうな人は、少なくとも暇つぶしの参考にはなるのではないかと思う。

・無職転生 ~異世界行ったら本気だす~

2021年12月現在、全23話。しかし、このプロジェクトのためにWHITE FOXが起ち上げた別スタジオがスタジオバインドらしいので今後も続けていくに違いない。もちろん、アニメも最初から最後まで気合が感じられる出来で、あとになって振り返った時、2021年は無職転生の年だったと言われてもおかしくない作品である。

・東京リベンジャーズ

現在、全24話。週刊少年マガジンからのヤンキーものなので『カメレオン』とか『湘南純愛組!』の流れかと思いきや、むしろ『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』である

少年マンガにしては絶望とか裏社会的な描写が堂に入ってると思っていたら、作者が『新宿スワン』の人ってロケットニュース24に書いてあった。なるほどなー。

・オッドタクシー

全13話。話数としてはコンパクトだが、一部の隙もない流れは本当に最後まで見て良かったと思わされた。なお、物語が完結している本作だが、2022年4月1日に映画が公開されることが発表されている。一体何が描かれるのか? 期待せずにはいられないところが「オッドタクシー」を物語っている。

・かげきしょうじょ!!

全13話。由緒正しき紅華歌劇団の劇団員育成を目的とした紅華歌劇音楽学校が舞台の話。と、こう書くと、ミュージカルみがあるキラキラしたアニメかと思う人もいるかもしれないが、どちらかと言うと本作は『ガラスの仮面』みたいなものだ。

才能に優劣がつけられる場所での苦悩や葛藤。個人的には、主人公の渡辺さらさや奈良田愛よりも、山田彩子に泣かされた。2021年最強の胸アツキャラは山田だったと思う。

・ウマ娘プリティーダービーSeason2

一方、2021年最強の胸アツシーンを挙げるなら、『ウマ娘プリティーダービーSeason2』のオールカマーだろう。これが『諦めない』ってことだーッ! ほら、思い出しただけでもう泣けるもん。

全13話のコンパクトさであの熱度まで盛り上がったのはシンプルに神だった。一応、続編だけど、Season2から見ても余裕でついていける感じだったのも、アプリの盛り上がりに繋がったのかもしれない。

・ブルーピリオド

原作が話題作すぎてミスったら批判の嵐になる道もあったアニメ『ブルーピリオド』。しかし、そんな宿命をはねのけたと言って良いだろう。原作の良さが伝わってくるめちゃくちゃ良い出来だった。美大受験ってこんなにヤベエの!? 『アオイホノオ』と雰囲気が全然違うんだけど!! と思いながらも泣いた。全12話!

・古見さんは、コミュ症です。

気付けば6個もストーリーものを並べてしまったが、ぼーっと見たいという人は『古見さんは、コミュ症です。』がオススメ。内容としては、古見さんにちょっとずつ友達ができていくだけなのだが、1話1話見終わるごとにちょっとほっこりする。このクラスに入りたい……。

そう思った人が多かったのか2期も決定。2021年秋の癒しでござった。全12話。

・世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する

無職転生といい、「小説家になろう」発の作品のアニメ化に勢いがあった2021年。『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』も元はなろう小説である。ただ無職転生と違うのは、主人公が何考えてるのかいまいち分からないことと、目標が明確なこと。

そのため、どうやってその目標が達成されるのか、もしくはされないのか、常に先が気になる展開が続く。12話を軽やかに見れるのだが、今後の伏線になりそうな部分も多く、続きが楽しみなまま最終話まで走り終えた。2期希望。

・さよなら私のクラマー

上記までのラインナップは、こういったアニメ紹介記事で見かけることも多いが、いまいち見かけないのが『さよなら私のクラマー』である。後半の盛り上がり的には入っても良いと思うんだけどなぜだろう?

なんなら、今2021年春アニメを振り返ると『オッドタクシー』かこれかってくらいの名作だと思うのだが。スポーツものの良さは厳然と勝ち負けがついてしまうことだが、本作の良さはチームを超えたところに仲間意識が描かれているところで、この同士感が後々どうなるのかを凄く見てみたい。

マジで2期を作って欲しい作品なので、ここで改めて話題にあげておく。まだだ! まだ試合は終わってないぞー!!


──以上、9つが2021年最後まで見て良かったアニメである。それにしても、最近、1話だけめちゃくちゃ良くて失速するパターンが多い。

視聴者の1話切りを避けるためかと思われるが、話題になった『オッドタクシー』や『王様ランキング』などはむしろ逆パターンなのは面白いところだ。1話で期待を持たせないというか、無暗に視聴者層を広げないようにしているような感じすらする。

作品に期待するものを1つに絞ることができれば、色んなことを期待されている状態よりもニーズに応えるのは簡単になる。話題となった背景にはそういった見せ方の違いもあるのかもしれない。変化の予感を感じた2021年だった。

執筆:中澤星児
画像:© P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ