ハンバーガー業界は今後大きく変化していくかもしれない。そう予感させるお店が東京・吉祥寺に誕生した。そのお店「ベックスバーガー」は店舗でありながら、自動販売機のような営業方法を採用しているのだ。

商品の注文と決済は無人! セルフレジで会計を済ませて商品を受け取るだけ! ほぼ自販機といって良いだろう。しかも安くて、ハンバーガー1個は税別150円から!! これは新時代の到来を感じさせるぞ!

・まるでハンバーガー直売所

2021年5月15日にJR吉祥寺駅北口にオープンしたベックスバーガーは、イートインスペースがない持ち帰り専門店だ。運営元は居酒屋「北の家族」や監獄レストラン「ロックアップ」などを手掛ける『株式会社subLime』である。

公式サイトのメニューを見てみると、看板メニューのベックスバーガーは単品税別290円。もっとも高いのはベックストリプルチーズバーガーで単品税別610円となっている。「グルメバーガー」を掲げるお店にしては、値段が安い。


昼時にお店へ行くと、店前には長い列が! 開店から時間が経っていないにもかかわらず、すでに吉祥寺では注目のお店になっているようだ。さて、注文はセルフレジで行う。タッチパネルで希望のメニューを選び……。


サイドメニューやセットメニューなどの詳細を選んで会計。利用できるのは現金・クレジット・交通系電子マネー・QR決済に対応している。近頃現金を扱っていないセルフレジを導入するお店が増えているなかで、私(佐藤)のような現金派にとって、現金払いできるのは嬉しい。助かる~!


行列だったからか、会計が完了してから商品受け取りまでは約20分を要した。めちゃくちゃ待ったという感じはないけど、もう少し提供が早いと嬉しい人は多いだろう。


以上が注文から会計、受け取りまでの流れだ。商品受け取りの際に受付番号を呼ばれる以外、スタッフはしゃべることがない。無言で応対することも可能だ。これはもう「店舗型自販機」と言っていい。「ハンバーガー直売所」といっても過言ではない!


・バランスの良い味

持ち帰って中身を見ると、ブランドカラーの黄色いパッケージが可愛らしい。


まず気に入ったのはフライドポテトだ。皮付きで揚げているのはイイね! このポテト、お店でじゃがいもを皮付きでカットしてフライしているという。太目カットのポテトもメニューに加えて欲しい!


ハンバーガーはバンズの色が目をひく。ふっくらとしていて見るからに美味そうだ。バンズは完全オリジナルで、自社工場で製造したものを毎日お店に配送しているそうだ。


皿に取り出すと、崩れることなくちゃんと自立している。上手く積み上げられているな、高さも良い。持ち帰りの間に湿気で沈むかと思っていたが、時間が経っても沈む気配はない。ベチャっと仕上がっていない証拠だ。

使用しているパティは、オーストラリア牛の赤身に牛脂を加えて、冷めても固くなり過ぎないように工夫を施しているのだとか。



食べてみると、最初に感じるのはバンズの美味さだ。ふっくらとしているけど柔らか過ぎず、パティやチーズの食感の邪魔にもならない。バンズの理想的な役割を担っている。


パティは薄めではあるけど肉感が強く、噛むほどに旨味を感じることができる。全体的にクセがなく、見た目と同じく、味のバランスが整ったハンバーガーだ。


・ハンバーガーが安くなる?

昨年11月に、焼肉ライクの運営元「ダイニングイノベーション」は東京・中目黒に、持ち帰り専門のハンバーガーショップ『ブルースターバーガー』をオープンしている。ベックスもブルースターも、従来のハンバーガーショップのスタイルをとらず、持ち帰り(デリバリー)に注力している。

今後ハンバーガー業界は注文方法を簡略化、人件費を抑えた持ち帰り専門店が増えていくことだろう。そうすると今まで以上に、美味しいハンバーガーを安く買えるようになるかも!? そんな未来になるように、持ち帰り専門のお店がジャンジャン増えてくれることを願う!


・今回訪問した店舗の情報

店名 ベックスバーガー
住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-1 原田第二ビル1F
時間 8:00~23:00

参考リンク:PRTIMESベックスバーガー株式会社subline
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24